第一話:儀式――山本瀬名


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 赤い服に髪の長い女が、絶叫を上げている。

 計画の全てが白紙となり果て、手にしたかったモノが指の隙間から零れ落ちる水の如く消えた。

 狂気。

 女は正に取り憑かれたかの如く、狂気によって計画を遂行していたのだ。

 それは狂おしいまでの愛と哀、学院長という身分に在りながら学院生を犠牲にしても笑顔を浮かべるし、娘すらも差し出していた。

 愛する人を取り戻すべく計画は大鳥学院を舞台にして進み、だけどそれはまるでちゃぶ台を引っくり返す勢いで破綻する。

 学院生、緒方優斗というファクターによって。

 計画とは自らの愛しい姉を黄泉より返す事であり、一度は男に汚された姉を毒で殺し、黄泉より返す事により二度と誰にも渡さない心算だったのだ。

 姉は二人の男に――女性の視点で――犯された。

 結婚し子を成して一人目であり、二人目は自らの夫となった男が文字通り犯した事による。

 都合、父親違いでの娘が二人デキたのだった。

 娘達はそんな事実も知らされない侭、姉は本家たる大鳥家へと引き取られ次女――二人の娘以外に夫との間に長女が居る――として大鳥真緒となり、妹の方は分家の亀山家で引き取られ亀山火巫女の娘、亀山 瞳となった。

 まあ、瞳は既に真緒とは姉妹だと気付いてたが……

 計画とは義娘の亀山 瞳を憑代に、愛する姉である大鳥理香子を復活させる事であり、その為には神像に捧ぐ六つの武具が必要。

 武具は六人の少女が鞘として、その魂の内に封じて宿しているのだが、それを解放する為には少女に絶頂という隙を与え、術により剥奪しなければならない。

 また、鞘は快楽に酔い痴れると梵字が腹に浮かぶ。

 但し、武具を抜かれたら少女の生命は喪われるが、火巫女にとっては学院生の小娘の生命なぞ、愛する姉の為の贄でしかなかった。

 鞘となった少女達は鞘かどうかの試しに犯されて、鉄火面と呼ばれる存在が操る触手で本格的に嬲られ、そして女の尊厳を削り取られた挙げ句、武具を抜かれて死亡していた……筈。

 だけど、二番目の鞘となった少女を除く四人は今、正に目の前に生きている。

 そしてユートが一撃を入れると、武具は一振りを除いて全てがパリンと割れ、消え去ってしまう。

 儀式は完全に失敗して、大鳥理香子の蘇生は叶わなくなり、亀山火巫女は絶叫を上げて哭き狂った。

「何故! 何故、その小娘共が生きているのっ!? 武具を抜かれ死んだ筈!」

「今、見たろ? 武具が消えたのを」

「どういう……」

「彼女らは特殊な影分身を身代わりにして逃がした」

「影分身? あんなのちょっとした衝撃で消える!」

「特殊と言っただろう? 肉体を個別に与えて消えた際のフィードバックも当然キャンセル、武具も影分身で再現されていたに過ぎないから、単純な影分身だけに簡単に消えた」

「ま、まさか!? そんな莫迦な……」

 衝撃的な言葉にショックを隠せない火巫女。

 真緒の同級生で親友である一人……山本瀬名。

 テニス部で真緒達と接点が無いが故、更には佐川を受け容れていたが故に唯一の犠牲者になる古賀玲子。

 真緒の弓道部での後輩、高須寿々音。

 薙刀使いで瀬名と同じく親友の豊田萌夏。

 オカルトに興味津々で、術符を使う小沢綾乃。

 この五人が武具の鞘で、古賀玲子以外はこうやって生きている。

 六人目は亀山 瞳であり理香子の憑代の予定だったらしいが、そんな事になる前に計画は破綻していた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ノウボウ タリツ タボリツ ハラボリツ シャキンメイ シャキンメイ タラサンダン オエンビ ソワカッ! 出でよ、大元帥明王!」

 山本瀬名が襲われたのは休憩時間、トイレに行って御小水も出し終えて手を洗っていた時の事。

 眼鏡を掛けて三つ編みのお下げと、地味な格好をした瀬名だったけど実際には胸も真緒や萌夏が羨む程に巨乳で、髪をほどき下ろしてから眼鏡を外せば充分な美少女となる。

 そんな山本瀬名に襲い掛かる触手、四肢を拘束されて空中に押し上げられた為に身動ぎすら出来ず、悲鳴を上げても結界により現界と解離した空間では届く筈も無く、触手は瀬名の女の子にとって大切な部位へと近付き、ショーツ越しに筋を撫で上げ始める。

 どうなるか理解して恐怖を感じながら、然し女の子の性感体を撫でられては、快楽を感じない訳にもいかない二つの感覚に、瀬名はただ啼くしか出来ない。

 幾ら恐くても性感体を撫でられ、肉体は反応するから徐々に潤う秘裂。

 愛液が溢れ落ちて床を濡らし、恐怖を上回る快感に悦楽を感じてしまう。

「イヤ、助けて……」

 嬌声と吐息を溢しながら助けを呼ぶが、やはり誰も来てはくれなかった。

「ま、真緒……萌夏……」

 親友の名を呼ぶ。

 ビリッ!

「ヒッ!」

 グショグショに濡れてしまったショーツを破られ、秘裂が露わとなって瀬名は息を呑んだ。

『ヤれ、大元帥明王!」

 先程から聞こえる声が、化物へと命令を下す。

 大元帥明王とは仏教的に明王という位に在る神仏、断じてあんな筋肉チックで卑猥な触手を伸ばしてくる怪物では有り得ない。

 グチョグチョと秘裂へと直接触れ、触手が女の子にとって一番の性感体であるクリトリスを弄び、それによる快感とこの後の恐怖からジョロジョロ……さっき出したばかりだと云うのに人肌で温かい黄金の水が、尿道口より溢れ股を伝って床を濡らして、タイルへと水溜まりを作っていた。

「イヤ、イヤァァ……」

 程好く濡れそぼった膣口は準備万端、大元帥明王と呼ばれた紫色の怪物の腰から一際デカイ、ピンク色の触手がヌルンとまるで肉棒の如く晒け出され、それはムクムクと固くなった。

 正に肉棒と同じ。

「ヒィィィッ!?」

 あんなモノが入ったら、瀬名の膣は壊れかねない。

 それ以前に処女の瀬名は初めてをあんなモノに貫かれるのは嫌だし、泣き叫びながら暴れて触手から逃れようとしていた。

 然し無情なるかな。

 抵抗空しく触手が瀬名の股座を貫かんと、一気呵成に勢い付いて迫ってきた。

 その刹那――

「え?」

 真っ暗な何処かで裸体を晒す瀬名が浮いていた。

「な、何なの?」

 裸体だから取り敢えず、おっぱいと秘裂は隠す。

「どうなってるの?」

 キョロキョロとしていると浮かび上がる人影。

「ひうっ?」

 しかも男。

 瀬名はペタンと女の子座りでヘタリ込み、両腕によりおっぱいを見えない様に深く隠した。

「あ、貴方は確かクラスメイトの緒方君?」

「そうだよ、山本瀬名」

「まさか、貴方がやっていたの!?」

「やっていたというのが、君を触手の怪物で襲ったという意味なら否だ」

「ち、違うの?」

「寧ろ助けに来た」

「っ! 本当に!?」

「但し、条件がある」

「じょ、条件って……」

「対価を支払う事。男から言われる対価≠ェナニか解らない様な幼い年齢じゃないよな?」

「――っ!」

 真っ赤になる瀬名。

 勿論、対価とやらが瀬名の柔肌を蹂躙し、処女を貫く話なのは理解出来る。

 カマトト振る心算なんて無いのだし。

「それ、意味が無い!」

「あるさ。怪物の触手に初めてを貫かれた挙げ句の果てに殺されるのと、人間の僕に初めてを捧げるのとは全く意味が違う。そりゃ、好きな相手に……とかでは無いにせよだ」

「うっ!」

 確かにあんな怪物に犯されてしまうより、助けてくれた相手にお礼の気持ちで捧げるのは意味合いが全く異なるであろう。

「殺されるって?」

「山本瀬名、君が触手に嬲られて感じる度に君の中で呪力が蠢く。魂に結び付いているみたいだし、それが連中の目的なら多分だけど抜き出すだろう。似たモノを知っているから断言するんだが、ソイツを抜かれたら君は死ぬ。間違いなく」

「そ、んな……」

 青褪める瀬名にユートが掛ける言葉は無い。

「君が『助けて』と願ったから、そして僕は近くに居たから僕の中の能力≠ェ反応して気付けた。だけど僕の救いは有償だ」

「無償では助けない?」

「何処ぞの正義の味方じゃあるまいし、誰かを無償で助けたりはしない」

「だから対価としてその、私を抱かせろ……と?」「別に損はしないだろ? この場で怪物に犯されて殺されるのと、救われて僕に抱かれるの……どっちの方がマシか考えればね」

「それは……でも……」

「一応、君の親友だったな……大鳥真緒が異変を感じているみたいだが、間違いなく間に合わない」

「……」

 ユートは未だにヘタリ込む瀬名の顎に手を掛けて、クイッと上向かせて笑みを浮かべながら言う。

「僕は色事に関して誠実とは言えないが、女の子を蔑ろにはしない心算だよ? 優しく初めてを奪って上げるさ……少なくとも奴らに奪われるよりはね」

 緊急時だからこそ瀬名の心は早鐘を打つ。

 ユートは自分をモブ的な容姿と思っているのだが、それは過去世で実妹による妨害工作で、モテなかったと感じていたからなのと、実際に一般的男子といった容貌であり、イケメンとか呼ばれる異世界人とは相容れなかったからだ。

 二度の転生で母親側での遺伝子が強く出て、中性的且つ女性側に傾く容姿に成っているから、イケメンとは云わないまでも普通に整った容姿であり、近付けば普通の感性の女の子であれば赤面する程度に上向いていたりする。

 なので、瀬名は真っ赤になっているのだ。

 この手の行為はイケメンの必殺技だが、ユートにもこれが出来ていた。

 無意識で……だけど。

 だからか、トロンと蕩けた表情で思わず頷く瀬名。

「契約は完了した。これから助けるから君は言われた通りに今後は動く様に」

「え、っと、はい?」

 ユートは権能で瀬名を掠め取り、瀬名の氣で影分身を構築すると【魔獣創造】で簡易的な肉体を造り出して影分身を融合。

 影分身が消えても記憶のフィードバックが出ない様にブロック、瀬名を連れてその場から離脱をした。

 大元帥明王とそれを操る佐川は、山本瀬名の影分身を魂とした魔獣を犯して、精巧な影分身故にお腹に顕れた梵字を確認、鉄仮面な赤マント怪人に武具――の影分身――を抜き取らせ、恰かも瀬名が死んだかの様に誤解をさせた。

 その後、真緒と豊田萌夏は死んだ魔獣体の瀬名を見て泣いた事になる。

 敵を騙すには先ず味方からと云うが、正にサマ師の如く騙し切ったのだった。

 ユートは瀬名を自分が住む家に連れ帰る。

 助けられる前は思わず頷いたが、一人の女の子としてはやはり不安が残ったのかも知れない。

「あ、余り生活感が無いんですね……」

「仮住まいだしね」

「?」

 意味が解らず首を傾げる様は可愛らしい。

「さ〜て、それじゃあ早速始める……」

 ビクッ! 肩が震える。

「のも情緒が無いな」

 今度はあからさまなホッとした溜息。

 了承はしたけど怖い……初めてだからこその心境といったものだろう。

「ご飯を食べて風呂にでも入って、少し落ち着いてからの方が良さそうだ」

 今更、性欲は旺盛にせよ童貞じゃあるまいし焦る様なものでも無い。

 相手を落ち着かせてからゆっくり、『戴きます』をすれば良いのだから。

 因みに夕飯は瀬名が作ってくれた。

 何しろ、ユートは家事を全くやる気が無いから出前を取ろうとした為、瀬名が取り敢えずは自分が作ると言ったからだ。

 味はまあ普通だった。

 普通に美味しい。

 何処かの究極やら至高ではないし、食べたら巨大化したり口から光を放ったりしないが、不味いものなど作らない普通に美味。

 ハンバーグはハンバーグの味だし、米を洗剤で洗うギャグも無かった。

「あの……」

「どうした?」

「どうして一緒に湯船に浸かってるんでしょう?」

 それ程に広くない湯船、瀬名はユートに抱きかかえられた形で座っている。

 お尻に硬いナニかが触れてきて、そのナニかがナニなのか理解出来てしまい、ボッ! と顔を赤らめた。

「うう……」

 触手に嬲られていたが、男の肉棒が直に肌へと触れる状況は当然初めて。

 よく知らないが何だか、聞き齧るより大きい気がしてならない。

「折角だから洗いっこでもしよう」

「はうっ!」

 見た目に細いのに実際に触れたユート肉体、それは鍛え抜かれた男のモノだ。

 硬くてなのにしなやか、ボディービルダーの魅せる筋肉ではない、実用に耐える筋肉というやつだろう。

 これからこの肉体の主とベッドに入り、自分の全てを捧げる事になるのだと、そう思ったら恥ずかしくて死にそうだ。

 今でもバクバクと心臓が鳴っており、ユートに気付かれないか気が気でない。

「ほら、もっと確りくっつかないと冷えるぞ」

「キャァッ!?」

 あろう事かガッシリと抱き締められ、驚きの余りに瀬名は悲鳴を上げた。

 背中と胸板がくっつき、お尻に触れる肉棒は形すら判るレベル。

 そして実際に背中の洗いっこをした訳であるが……

「ゴクッ」

 固唾を呑んで見入るのはユートの肉棒。

 張り裂けんばかりにガチガチな代物で、実物を見たのは初めてだったがあからさまにおかしなサイズが、臍まで反り返っていた。

『今度は前をお願い』

 とか言って瀬名を前に座らせたユートは、隠す心算も無く肉棒を曝け出す。

 取り敢えず無難に胸板や二の腕を洗い、お腹や脚を洗って現物を避けていたのだが、やはり肉棒も洗わないと終わらないらしい。

 意を決して肉棒を手に、柔らかな布に石鹸を含ませてカリの部分をソッと擦り上げていく。

 何だかピクピクと脈動をしていた。

 棒の部位も擦り、玉袋も念入りに擦って洗い終え、そして気付く。

 いつの間にか自身の秘裂がお湯とかと違う液体により濡れ、太股にまで垂れてしまっている事に。

 ユートの肉棒を擦りながら自ら濡れ、興奮をしていたという事実を知った。

 知られたくない!

 よもや、単なるクラスメイトだった名前しか知らないし、苗字呼びだった異性相手に肉棒を触りながら、股座を濡らしていたなんて絶対に知られたくなかった――のだが?

「ヌルヌルしてるな瀬名」

 行き成り股座を触れられてバレた。

「イヤァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 涙目で絶叫したのは当然の流れだろう。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 早速というか濡らしてたくらいだから準備万端と、お姫様抱っこで寝室にまで連れ込まれ、お風呂上がりで何も身に付けてない――眼鏡も無いし三つ編みすらほどいて、癖毛となっているミドルヘア――状態で、ベッドのスプリングを軋ませながら寝かされ、申し訳程度におっぱいを右腕で隠しながら、左手はペタンと布団に投げ出されており、股座は内股になる事によって秘裂を隠している。

 そんな瀬名に唇を重ね、驚いて半開きになった口の中に舌を入れ、瀬名自身の舌へと絡ませていく。

 ヌチュヌチュと水音を立てながら蹂躙される口内、瀬名は目を閉じてされるが侭に受け容れていた。

 キスをしつつ右手は豊満なおっぱいへと向かって、たわわに実る果実をゆっくりとその掌に納め、乳房を人差し指で捏ね回しながらも揉み始めた。

「ん、んんっっ!」

 おっぱいを揉まれ吐息を漏らしたが、唇を塞がれていたから鼻から息をするしかなく、イヤイヤする様に首を横に振るものの逃げられはしない。

 ややあって舌を出した侭に唇を離すと、瀬名の舌との間に混ざり合った唾液が粘液となって橋を架ける。

 唾液の糸が細くなり途切れると、ユートは口を瀬名のおっぱいに近付けて乳房を含んだ。

「は、んっ!?」

 乳房もそれなりに感じるらしく、変な声を上げてしまったがすぐに恥ずかしくなったのか手で口を塞ぐ。

 その間にも乳房を舌で転がす様に舐め、更にはチューチューと音をわざと出して吸い上げた。

「ひゃあ!? そんな……吸っても出ませんよぉ!」

 更には今も僅かに潤った秘裂に手を伸ばす。

「あ!?」

 指先が膣口に侵入して、処女膜の手前を擦りながらクリトリスに触れ、撫でて刺激を与えてきた。

「ヒャン! あ、あ、あ、う……んっっ!?」

 目に涙を溜めつつ嬌声を溢す瀬名。

 グチョグチョグチョグチョグチョ……

 その刺激に瀬名の本能が愛液を増やし、音が耳へと入るくらい聞こえてきた。

「本当にすっかりデキ上がってるな」

 指運動をやめるとユートは自らの肉棒を手で支え、瀬名の脚をM字に開脚させて秘裂にカリを宛がう。

 愛液を肉棒に馴染ませるかの様に、クチュクチュと塗りたくるとゆっくり秘裂に沈み込ませていった。

「うっ……」

 異物の侵入を知った瀬名が身体を固く縮こませる。

 膣口からズズッと膣道へカリの部分が侵入、すぐに処女膜にまで到達した。

 軽い抵抗感。

 狭まる膣道。

 それに力を籠めていき、無理矢理に侵入した。

 ブチブチッ!

「っっ!?」

 股座に痛みが襲う。

 ズンッ!

 最後は一気に押し込まれた肉棒が、処女膜を引き裂いて完全に侵略を果たす。

「いぎぃぃぃっ!」

 肉を直に引き千切られた感覚に、力強く瞑った目から涙を溢して声を出してしまう瀬名。

 膣口から肉棒の侵入により押し出された形で赤色の液体が僅かに漏れ、それが正常位で寝転がる布団へとポタリと落ちて染み込む。

 痛みを考慮したらしく、ユートは挿入させてからは全く動かず、涙を舌で舐め取ってから再び唇を重ね、舌を絡ませていく。

「……ハァハァ、動かないんですか?」

 お股が痛くて息も絶え絶えながら、いじましい事を訊いてくる瀬名。

「動くと痛いよ?」

「けど、動かないと終わらないですよね?」

 挿入された以上は最早、瀬名は処女を喪失した。

 守るべき貞操は奪われたのだし、覚悟も決まったから動くのを促す訳だけど、ユートは痛みに慣れるまで動かない。

 痛がらせたい訳じゃないから当然だろう。

「それに瀬名の胎内が僕の肉棒の形に慣れて、専用って感じになるのも悪くはないからね」

「ふあっ!?」

 今もユートの肉棒が膣の襞を圧迫しているのを感じている最中に、何でも無いかの如く言われて元より赤い顔が更に赤くなる。

「まあ、そろそろ瀬名の事を征服したい欲望もある。だから動くよ?」

「は、はい……」

 ズチュッ!

 一際深く挿入。

 グチュッ!

 それを半ば引いて……

 ズチュッ!

 また押し込む。

「あっ……」

 痛いのもあるが、何だか痺れる感覚を覚えて声が出てしまう。

 ズチュッ! グチュ! ズチュッ! グチュ!

 少しずつだが、確実に速くグラインドされるユートの腰の動きに瀬名は翻弄をされ、膣内の上壁で尿道の下流辺りを特に意識をして刺激してくる。

 グレフェンベルグ・スポット……通称Gスポットと呼ばれる場所だ。

「ひうっ!」

 クルリと身体を回され、正常位から後背位になって突かれ、膝立ちの四つん這いになる瀬名は後ろからの挿入に快感を感じた。

 痛みが可成り薄まる。

 普通ならそこまで簡単に痛みは治まらないのだが、ユートの肉棒からは自然とフェロモンが分泌されて、それが快楽を引き出しつつ痛みを抑えているのだ。

 痛みが減れば快楽の方が高まり、一層の快感が瀬名を襲ってきて頭の中が既にセックス一色に染まる。

「ああ、私の膣内で優斗君のが動いてるのぉ!」

 苗字呼びがいつの間にか名前呼びに変わっていた。

「何か、段々……気持ちが……良く、て……あふ!」

 今度は横に倒されると、右脚を高らかに上げられて両腕に掴まれ、其処から更に強く深く挿入される。

「この体位が好きなんだ、一番胎内を感じられる」

 グチュグチュグチュ!

 更に速まる腰の動き。

 あんな大きな肉棒なのに根元までズッポリ入って、瀬名の気持ち良くなる場所を蹂躙していった。

「あっ、ふぁぁっ!」

 ズンズン!

 ふと下を視れば自分の中を出入りするユートの肉棒が見えて、瀬名の気の昂りが益々高まっていった。

 どのくらい突かれたか、今や処女喪失の痛みは完全に消えてしまい、気持ち良さだけが支配している。

 それも少しずつ少しずつ強さを増し、頭がどんどん真っ白に何も考えられなくなっていった。

 最早、瀬名の快楽に濁った瞳には映らないのだが、お腹には快感が昂り梵字が浮かんでいる。

 それは瀬名が絶頂に近付いた証明。

「あ、あ、あ……」

「そろそろイク……ぞ!」

 ゾクゾクッ! 背筋を奔るナニかが瀬名を支配。

「くっ!」

 ビュルッ!

 ユートの呻き声と共に、ナニか熱いモノが迸り瀬名の子宮を勢いよく叩いて、その瞬間……

「あ、あ……ああああああああああああああっ!?」

 完全に思考が停止して、絶頂を迎えた膣がキューキューと収縮、ユートの肉棒を放すまいとがっちりと掴んで熱い欲望――精液を搾らんと蠢いた。

「熱い……よぉぉぉっ!」

 ドプドプッ!

 止まらない射精。

 瀬名の子宮を大量の精液で満たしていった。

 ビクッビクン!

 痙攣する瀬名の膣。

 それに伴い瀬名の身体もピクピクと奮えていた。

 ユート自身も肉棒からの射精感に酔い、出し切るまで奥の奥へ肉棒を突き入れて奮えている。

 ビュクッ!

 何度目かの射精、それで取り敢えずの打ち止めだったらしく、ユートは腰を引いて肉棒をズルリと瀬名から抜いてやる。

 愛液と精液と破瓜の血が入り雑じる液体がベットリ付着した肉棒、膣口と肉棒の間にはそんな粘液の糸を引いて端から見てエロい。

 ゴポッ!

 普通なら有り得ない量、白と赤が混じる液体が瀬名の秘裂から溢れ、布団をお漏らしの如く濡らして染みを作った。

「ハァ……ハァ……」

 処女喪失と初めての絶頂を味わい、茫然自失となって荒い息を吐く瀬名。

「ん!」

 そんな瀬名の唇に自分の唇を重ね、其処からまたも彼女の汗に塗れた肢体を弄り始める。

 更に2ラウンドを熟し、完全に気絶をしてしまった瀬名、そんな瀬名の頭を撫でて一緒に眠った。

 翌朝、改めて自分の痴態に呻いた瀬名を鎮めるのに時間を喰い、休学させている彼女と違い学院に行かねばならないユートは遅刻を余儀無くされたのだけど、自業自得であったと云う。


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