DQ4――武器商人の死体を見付けたら人妻に手を出してしまった案件


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 ユートは困っていた。

 本来なら導かれし者の筈のデブったおっちゃんが、割と雑魚いモンスターとはいえ複数に囲まれリンチを受け、謂わばHPがゼロの状態になったらしく血塗れでぶっ倒れていた。

 助けるには遅過ぎたからどうにもならない。

 見れば装備品は銅の剣に皮の鎧に皮の盾に皮の帽子……はっきり言って初期装備も良い処というやつだ。

「破邪の剣を手に入れるくらいしなきゃ、碌な戦闘の経験も無い商人がモンスターに囲まれて生き残れる訳もないか。ゲームじゃ普通に戦えていたんだけどな、あれだけ囲まれたら意味が無いわな」

 よく考えると良い。

 相撲取りならまだしも、単なる脂肪の塊なだけでしかない身体、碌な運動だってしていないしバイト三昧では戦闘経験も無い。

 寧ろ、喧嘩すらした事が無さそうなトルネコが行き成り外で、しかもたったの一人でモンスターと戦う。

 どんな冗談だろうか?

 まともに動ける筈無く、現実はこんなもんだ。

 武器屋トルネコ……完

「行き成り第三章が主人公の脂肪……もとい、死亡で終わってしまったか」

 時間軸的に第二章になる【おてんば姫の冒険】も、実際の原作通りにはなっていないが、よもや第三章で行き成り『導かれし者』の一人があの世逝きとなるなんて想定外だった。

 この世界は天空シリーズと呼ばれるDQ世界。

 ロトシリーズに関しては原作I〜IIIや『ロト紋』までも既に踏破をしており、一万年と二千年前くらいにデスタムーアなる大魔王を潰し、『ターニアと幸せに暮らしましたとさ』的な噺で終わったが、ユート的にはそうもいかずターニャが老衰で死んだ後、埋葬してとある場所で眠りに就く。

 そして現代――DQWの時代にシフト、目覚めたのはコーミズのモンバーバラの姉妹が住まう家の地下。

 ユートは暫く彼女らと暮らしたが、原作入りする頃に旅立ち【王宮の戦士たち】でフレアを喰った。

 夫の居場所を教えるのと護衛と牢屋から出すという条件で、一晩の閨に誘ったら乗ってきたのでユートも遠慮無くという感じで。

 そして第二章の時間軸、ユートもエンドール武術大会に出場し、アリーナ姫がモニカ姫の為に優勝を目指していたのに、空気も読まず優勝をもぎ取ったのだ。

 エンドール王はオロオロするし、モニカ姫は涙目になって恋人の存在を仄めかすのだが、ユートからすれば知った事でもないから、普通にモニカ姫を閨に連れ込もうとしたらアリーナ姫が『待った』を掛けた。

 何と『自分が身代わりになる』とか言い出す。

 これにはブライがギョッとなるわ、クリフトなんぞ気絶するわ阿鼻叫喚。

 モニカ姫よりアリーナ姫の方が締まりも良さそうだったし、折角だから普通に『戴きます』をしたら愉しくなって第三章の時間を過ぎていた。

 結果がこれだ。

「取り敢えず、実家にまで連れて行くしかないか」

 ユートはトルネコを棺桶に放り込み、ズルズルと引っ張ってレイクナバへ。

 トルネコの家に向かう。

「あなた!?」

 棺桶の中の遺体に縋り付いたのは、トルネコを三十代としたら明らかに二十代であり、茶髪を後ろ髪で結わい付けたオパール色の瞳を持つ美女。

「どうしてこんな!?」

「どうしても何も、護衛も付けずに初期冒険装備で旅に出る商人とか、こうなる未来しか見えないけど」

「そんな……」

「せめて破邪の剣くらいは欲しかったな。あれが有ればここら辺の雑魚なら一掃も出来たろうに」

 システム的にゲームでは稀に破邪の剣を売りに来る客が居り、上手く買い取ればレベル1でも割かし戦えるものである。

 何しろ攻撃力は鋼鉄の剣より高く、レイクナバ周辺の雑魚は単体なら一撃。

 更に道具として使ったら閃熱呪文(ギラ)の効果で、ゲームの場合なら同一グループのモンスターを纏めて焼き尽くせる。

 雑魚だから。

 スライムが八匹で現れたとしても、同一グループの範囲なら殲滅が可能だ。

 ビバ・破邪の剣である。

 その気になれば第五章の序盤までは使える剣。

 それを持たずに出たのはつまり、現実には破邪の剣を売りに来る客は居なかったのだろう。

「有り得ないけど最後の鍵が有ったら、氷の刃が手に入ったんだろうけどね」

 攻撃力は+七五。

 道具として使ったならばヒャダルコの効果。

 トルネコでも余裕で勝てる武器だが、如何せん必須な最後の鍵が無ければ手に入らない。

 何故に田舎町のレイクナバの武器屋が、こんな強力な武器を隠し持っているのかは不明だ。

「さて、奥さん」

「は、はい……」

 泣き伏していたネネも、今は不安そうにユートを見つめていた。

「トルネコ氏を復活する術は教えて上げられる」

「本当ですか!?」

「でも、それが実行可能かは保証も出来ないよ?」

「――う?」

「教えるだけなら無料だ。でも実行が出来ないからと代役を頼むなら、商売人の娘として妻として対価を支払う必要性は解るよな?」

「はい……そうですね」

「そういえば教会で蘇生とかは出来ないのか?」

「教会の神父様のレベルでは無理です」

「さよけ」

 僧侶系呪文のザオラルやザオリクが使えないとか、レベル上げが出来ないなら仕方ないのかも知れない。

「一般的なら復活呪文だ」

「神父様にも使えない高等呪文なんて、今時に使い手なんて居ませんよ」

 魔界に王子が起ったのは最近だし、それまでに復活呪文が使えるくらいに修業した人間は居ない。

 魔王ムドーが席巻していた時期でさえ、中級呪文の行使すら出来なかった仲間を鑑みれば、これはどうしようも無いのだろう。

「後は【世界樹の葉】を磨り潰して飲ませる」

「そんな伝説クラスのアイテムなんて在りません!」

 況してや、トルネコとは武器屋でバイトして暮らすアルバイター、伝説なんて背負ったアイテムなぞ見た事すらなかった。

「提供しても良いけど……対価は支払える?」

「お、御幾ら?」

 提供可能らしいユート、ネネはおずおずと訊ねる。

 ゲーム的には売れないか大した値段にはならないかいずれかだが、こんな場合は足下を見て価格が決まってしまう。

「百万ゴールド」

 クラッとピヨったネネが倒れてしまった。

 第三章に限定で現実的な価格設定だが、トルネコが旅立ったばかりでそんな金が払える筈も無い。

 時間を掛ければ?

 トルネコの腐乱死体には効かないだろう。

 寧ろ、【腐った死体】にでもなって動き出したら怖い話になりそうだ。

 ネネはネネでどうにもならない思いで膝を付く。

 ポポロはまだ幼いのに、父親であるトルネコが死んでしまい、ネネには収入が無いから家事そっちのけで働かねばならない。

 間違いなくグレる。

 かといって、目の前に立つユートは基本的に無関係で頼れる訳も無い。

 そんなユートだが屈んで視線をネネに合わせると、軽くハグをしてきてネネが固まってしまう。

 そりゃ、旦那でもない男に抱き締められたら拒絶の反応くらいはする。

 ユートはネネの耳許――生暖かい吐息が掛かるくらいまでに口を近付けると、実際に吐息を軽めに吹き掛けながら小さな声を出す。

 ゾクゾクッと背筋を奔る悪寒に表情を変えたけど、その科白に再び固まってしまうと同時に苦悶の顔になってチラリ、トルネコの入った棺桶を見遣る。

 中には間違いなく夫たるトルネコの遺体、それを生き返らせるなら自分が彼に抱かれなければならない。

 夫がそうだというだけでなく、自身もまた商人の娘であったネネだけに対価を支払う大切さは理解する。

「あなた、ごめんなさい」

 決意と諦感が入り雑じった表情となり、トルネコへと謝意を示して自らの身体を弛緩させた。

「御好きにどうぞ」

 ユートは言った――『僕にその肢体を開くなら旦那の蘇生に手持ちの$「界樹の葉を使ってやる』

 それを聞いた途端にネネは激しく揺れた。

 夫であるトルネコの事は勿論ながら愛している。

 確かに周りから視たなら脂肪や贅肉の塊であるし、商人としては御人好しに過ぎて騙され易い。

 初めて会った際に一目惚れされたらしく、情熱的に口説いてきたトルネコだったけど、会う度に贈り物をしてきて顔に似合わない様な口説き文句を言う彼に、ネネは少しずつ惹かれた。 ちょっとばかり歳に差はあったのだが、それは別にトルネコが幼い娘好きという訳で無いのは、他に幼女も居るのに目も呉れない事から明らかだった。

 出逢いから数年後にネネが結婚も可能な年頃となってから、トルネコは指輪を手にプロポーズをした。

 情熱的に。

 すぐ傍まで近付いてからベッドへ、ネネの隣へと座ったユートはネネの肩を抱き寄せると、背けていた顔を強引に自分へ向けさせると唇を奪った。

「んっ!? むぐっ」

 驚いて目を開ければ目前にユートの顔が存在して、柔らかくも温かいナニかがネネの唇を塞ぎ、半開きになっていた口からは湿ったナニかが侵入をする。

「ん〜〜ん〜〜っ!」

 まるで初めての乙女が、ファーストキスでもするかの如く表情で、頬は真っ赤に染まって舌を受け容れるしかないネネ。

 自分の舌へと絡んでくるユートの舌、逃げようにもその場に固定されているからにはどうにもならずに、舌の蹂躙を受けてしまう。

 ピチャピチャと普段なら夫と眠るベッド、ソコへと敷かれた布団の上で夫ではない男の舌が、水音を立てながらネネの舌を犯す。

 それが少し悲しい。

 だけど拒む事は他ならない夫の為にも出来ないし、どんな要求にもネネは応えるしか術は無かった。

 一方のユートはちょっと興奮気味である。

 本来はそんな気も無く、レイクナバにまで来たのは飽く迄も【導かれし者】……八人の内の一人の様子を見る事にあった。

 それがアリーナを抱くのが愉しくて、始まりに間に合わなかっただけでなく、【導かれし者】の死亡というこの世界で最悪の事態に発展してしまう。

 【導かれし者】には各々で役割が存在する。

 纏め役が勇者。

 背後の護りに戦士。

 前衛に武闘家。

 指し示す存在に占い師。

 護り手に神官。

 知恵者に魔法使い。

 鼓舞する者に踊り子。

 そして支援者に商人だ。

 ゲーム上ではパーティを組み、普通に集まって戦っているだけであったけど、多種多様な職業が集まった――導かれた理由はソコに有ると云って良い。

 出鱈目に集まった訳では無いのである。

 最後の悪意を討つ為に、魔界の王子すら九人目として導かれたのがDS版で、【進化の秘宝】を葬った。

 【導かれし者】のその後の物語として、トルネコが語られている訳だけど……ネネはそれで明確なビジュアルを魅せていた。

 夫のトルネコより若く、可成りの美人である。

 人妻だから流石に諦めていたが過失? でトルネコが死亡、ユートには蘇生の術に心当たりが有ったし、悪戯心から今回の話をネネへと持ち掛けた。

 撒き餌を撒いて餌を針に仕掛けて垂らしたら見事に大物が釣れ、ユートは正にそんな大物を調理している真っ最中なのだ。

 人妻故に処女でないのは残念だが、処女ではないからこそ多少の無茶も可能。

 いまだにズボンに仕舞われたユートの肉棒は、ネネという最上級の獲物に対した期待感で既にギチギチとなってはち切れんばかり。

 先ずは軽くジャブとして鎮めたい処だったのだが、流石は人妻というべきだろうか? ユートの舌に無意識的にか応え始めた。

 ピチャピチャ、ピチュピチュ……クチュリ……

 遂先程まで一方的に蹂躙していたユートの舌だが、ネネの舌がそれに応えるかの如く絡まされ、新たなる水音を響かせる二重奏を奏で始めている。

 クチュクチュ。

 ネネの口元からは二人の混ざり合った唾液が溢れ、飲み干す前に零れている。

 ネネの口内には二人分の唾液が溜まり、僅かに零れる以外は行き場を失っていて大量となっていた。

 コクコク……

 それを無理矢理に嚥下して何とか飲み干した。

 飲み下したのを確認したユートが唇を離したなら、トロ〜リと粘性の高い唾液の残滓が橋を架ける。

「ハァハァ……」

 息苦しいのもあってか、頬を紅くそめて息を荒げているネネは、淫靡な魅力を醸し出している。

 最早、ユートも限界を迎えたらしくズボンを脱ぐ。

「……え……ヒッ!?」

 ネネがふと顔を上げて見たソコには、予想通りとなるモノが予想外な規模にて勃ち上がっていた。

 回数は百回にも満たないとはいえ、夫のモノは何度だって見て慣れていると思っていたが、ユートの肉棒はそんな夫の肉棒より遥かに長く太くてガチガチで、臍まで反り返っている。

「う、嘘……」

 トルネコの肉棒しか識らないネネは、当然トルネコとの行為でしか性の知識は無かった。

 だから取り分け下手くそな訳でも無いとは思うが、比較対照が今までに存在しなかった為、性知識なんて実はそこら辺の小娘と大して変わらなかったりする。

 だからオーガズムなんて識らないし、そんなのを感じる前にトルネコが果てていたからその先も解らない侭であった。

 況して、基本的にマグロだったネネはトルネコのを受け容れていただけでしかなく、ユートの行為に全く解らない顔で目を白黒させるしかなかった。

「うぐぅっっ!?」

 荒い息で口を開いていたのを幸いに、ユートが肉棒をネネの口内へ突き入れてきたのである。

 グッチュグチュと新しく水音を立てて、突いては引いて突いては引いてを繰り返す様は、まるで夫であるトルネコが自分の股間の穴へ肉棒を突き入れるかの如く行為だった。

 両手で頭を押さえ付け、股間の秘裂に見立てながら口内を肉棒で蹂躙する。

 口の中を一杯一杯にする肉棒で息苦しいが、涙目になりながら耐えるしか術を持たないネネ。

(ナニコレナニコレナニコレェェ!? こんなの識らない……識らないよ?)

 少なくともセックス――子作りの過程ではない。

「取り敢えず、その口の中に一発……イクよ?」

「う゛?」

 ドピュゥゥゥゥッ!

 疑問に思うより前にネネの口内へ吐き出された欲望の塊は、恐らくはトルネコが自分を抱いた時の最後にお腹の奥へ放っていた白い液体……子胤を含むアレ。

 だけど量が半端無い。

 射精された欲望の塊――精液は一瞬でネネの口内へ限界以上に吐き出されて、しかも溢すに溢せないからみっともない姿を晒す前に嚥下したが……

 ドピュゥゥゥッ!

 二度目の射精。

「うぐぅっ!」

 更に腰を小刻みに動かすユート、ドプッドプッ! と三回目四回目の射精。

 ネネは美味しくもない、そんな白い粘液を飲み干すしかなかった。

「ゲホゲホ!」

 漸く射精が終わったか、ユートがヌラ〜リと肉棒を口から引き抜くと、今度は精液でネネの口とユートの肉棒の間に橋が架かる。

 そしてすぐに咳き込み、涙目というか完全に涙を溢していた。

「口の中も良かったけど、こっからが本番だ」

「あっ!?」

 服を脱がせるでもなく、白いズボンだけを剥ぎ取ったユートは下衣もその侭、ネネの脚を軽くM字に開かせてしまう。

 更に下衣の上から秘裂の筋を人差し指で撫でた。

「ンッ!?」

 トルネコもしていた行為なだけに、ナニがしたいのかはネネにも理解出来る。

「ん、あっ!」

 撫でられて感じる度に、ユートの目的は叶う。

 ネネの股間を覆う真っ白な下衣が、ネネ自身の秘裂から溢れ出す液体で変色、水音を立て始めた。

 クチュリクチュリ。

「あ、あ……アン!」

 得も云われぬ心地好さ、思わず甘い吐息が洩れる。

 ただ単に筋を撫でるだけではなく、クリトリスを捏ね回したり秘裂の中に侵入させたりと、指先だけでもネネは翻弄をされる。

 トルネコには……否……この世界には余り無い性の技術が技巧が、ネネを虜にする勢いで快楽を与えた。

 二次創作とかなら凄まじい技巧とかもあるのだが、この世界では快楽快感悦楽を求めるにせよ、穿った様な体位も無くて謂わば普通なセックスが主流。 況してやトルネコの目的は子供、快感はオマケみたいなものでしかなかった。

「あ、あ、あ……」

 クチュクチュクチュクチュクチュクチュ……

 もう布越しでもすんなり秘裂に入るくらい濡れて、潤沢な愛液はネネの準備が完全に整った事を伝える。

 だけどネネはその場での絶頂は疎か、あの既知外染みた肉棒を秘裂へと挿入される事もまだ無い侭に……

 ペロッ……

「ひん!?」

 肩口から服をずらして、おっぱいを露出させてから舐めつつ、乳首を口に含んで舌で転がし始めたのだ。

 すっかりデキ上がっていた肢体は敏感で、ちょっと性感帯への刺激をするだけで感じてしまう。

 しかもデキ上がっていたという事と、数年間に亘るセックスレス生活の所為か無意識に期待感で一杯だっただけに、却って肢体的に快感を求めたらしく脳内の麻薬がドバドバ出ており、僅かな肌の接触すら感じてしまっていた。

 男の肉棒を女の肉壺へと納め、体内のエネルギーたる氣を混合させて全身を以て循環させる。

 それによって二人の男女から合一され、より完璧な存在へと一時的な昇華が成されていて、まるで全身が性感帯の如く快感に襲われながらも、抜き挿しされる肉棒により男女双方の快感が感じられていた。

 突かれる度に愛液が潤沢に溢れ出し、ユートの肉棒をギチギチと受け止めて、軽くイクのも留まらない。

 ユートが最もイカせたい女の子――エセルドレーダを絶頂させる為にだけ開発をした性技であった。

 グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ!

 ネネの絶叫と水音ばかりが響くトルネコとネネ≠フ寝室で、ユートとネネがセックスに明け暮れる。

 正常位から始めたけど、測位に片脚を上げさせながら突くのが好きなユート、今はそんな体位で子宮の奥にまで突き込んでいた。

 処女が相手なら手加減もするが、人妻なネネにそんな配慮など全く無く……

 グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュッ!

 段々と速度を速めていくユート、激しく時に緩やかに緩急を付けて突く。

 二人は全身を汗塗れに、ヌルヌルと抵抗の少なくなった肌同士の接触によって起きる快感すら愉しんで、そして速さが更に増したと思ったら……

(あ、またオチンチンが……おっきくなった)

 カリの部位が肥大化し、それを膣内の襞が敏感に感じられた。

 更に長くなったユートの肉棒、それが子宮口を無理矢理に抉じ開ける。

「いぎぃぃぃっ!?」

 快楽と子宮内に初めての異物を受け容れた気持ち悪さが綯い交ぜとなり、涙を零しながら悲鳴を上げてしまうネネ。

「イク、ぞ……」

 ドピュゥゥゥゥゥッ!

 イマラチオの時より増量すらもした勢いで、最初の射精でネネの子宮内を欲望が汚していく。

「嗚呼、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

 その瞬間に有り得ない程の快感を擁する絶頂がネネの胎内を襲撃、何の遠慮も配慮も全く以てされていない絶叫でイッてしまった。

 ドピュッ、ドピュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!

 二度目の射精も勢いは全く変わらず子宮内に直接、精液を……子胤を放たれてその感触だけでネネは快感が絶頂してしまう。

「ひぃああああっ!?」

 ドクンドクン!

 僅かな勢いの低下こそはあったが、量も相変わらずで三度四度と吐き出した。

 弓なりに反り返った肢体がゆっくりと戻り、ピクピクと一部が痙攣をしながら意識が闇に溶けたネネ。

 ジョバァァァァーッ!


 まるで御小水が如く勢いで子宮から逆流した精液、寧ろ膣から射精をしたのではないか? とも云えて、布団にばら撒かれていく。

 目を開けた侭で気絶したネネは、レイプでもされた後みたいな瞳であった。

「さて、夜は長いんだから二発目とイコうか?」

「……え?」

 飽く迄も子作りが目的の行為なだけに、トルネコは自分がイッたら終わってしまい、ネネがイク事なんて終ぞ無かった。

 ネネが絶頂するのは決まって、トルネコが寝た後に自分で弄ってのみ。

 セックスでイクのが初めてで、更に二回目の行為は埒外の経験である。

 こんな感じのセックスをいつもの調子でヤり続け、日が昇り始めて空が白んできた頃には、ネネもユートとのセックスに嵌まり込んでしまい、自分から腰を振って求めてしまっていた。

 トルネコは約束通りに、世界樹の葉で蘇生される。

 ナニがあったか知らないトルネコは、ユートに対してペコペコと頭を下げながらお礼を言ってきたけど、ネネはいまだに股間を伝う精液を感じつつ、妖艶な瞳でユートを見つめていたのだと云う。

 導かれし者達が集う戦いの後、平和になった世界でトルネコも妻と息子の待つエンドールに帰ったけど、ネネとユートの秘密の関係は続いていた。

 トルネコも最後の最後まで気付く事も無く、後年に産まれた女の子を自分の娘だと信じ込んで育てる。

 ネネとユートの娘を。

 その娘――ロールは後に【トルネコの大冒険】などにも積極的に参加をして、親娘と知らぬ侭に出逢ったユートと結ばれ、いつの日にか娘を出産していた。

 その娘がポポロと結ばれてしまい、更に数百年後にはロベルト・ルドマンという大富豪の子孫がユートとの縁を結ぶのだが、そんな事はユート本人すら知る由も無い事である。


 尚、余りにも絶叫を上げた所為だろうか? ポポロが目を覚ましてネネの寝室を覗いていたと云う。

 ポポロの初めての自慰は知らないお客さんと母親のセックスとか、ある意味でネネは息子に変な悪影響を与えてしまった。

 幸い、それに気が付いたのはユートだけである。

 とはいえ、そんな濃いめの経験をしたからだろう、ポポロの結婚は三十代後半と遅くなり、しかも相手はネネにそっくりな幼女を選んだ辺り闇は深い。

 ユートとネネの娘であるロールとユートの娘とは、つまりはネネの孫に当たるナナ。

 知らぬ間に近似の親族と結ばれたのは、その闇の深さ故なのかも知れない。


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