現れたその影は間違いなく、なまえが会いたくてたまらなかったリヴァイだ。
「なまえ・・?」
「・・」
震えが止まらないなまえに覆い被り今にも襲う直前だった男の体制を見つけたリヴァイは血相を変え、ギラリと睨むその瞳は視線だけで人を殺せてしまうのではないだろうか。
勢いよく走りだし、その男の胸ぐらに勢いよく掴みかかったリヴァイの様子は普段では考えられないほどまるで別人のような殺気を放っていた。
「お、おいお前誰だッ!?っ待て、話し合おう!!金ならある!!」
「殺してやるッ!!!」
「ま、待ってくれッ・・!!うわああ!!」
鼓膜が震えてしまう程の怒りが含まれたリヴァイの声と、その男の悲痛な叫び、躊躇なく振り落とされた刃物に、なまえはギュッと力の限り瞳を瞑った。
「う、あ゛あ゛あ゛ッッ!!」
長いような、短いような時間だった。
男の苦しむ叫び声、血の飛び散る音、全ての音が無くなるまでどのくらいだっただろうか。
シン、と空気が静まり初めてなまえはキツく閉ざされていた瞳を開けた。
ポタリと、リヴァイの腕から垂れる血は地面に横たわって既に息を引き取っているだろう男の顔へと滴り落ちた。
雨のように染み込んでいるその赤いものはリヴァイの血ではなく、おそらく大半はこの倒れている男達のものなのだろう。
「リヴァ・・・・くん」
「・・」
消えそうな声でリヴァイの名前を呼べば、バッと驚いたようになまえをしばらく見つめ、静かになまえの元へと足を動かした。
日本で暮らしていたら絶対に体験しなかったであろう、ニヤニヤと笑い自分を売ろうとする男達、血の量、殺される人間、この数時間のとんでもない恐怖。
リヴァイが助けに来てくれなかったら、今頃汚い男に襲われ知らない所に売り出されていただろう。その先は考えたくもない。
なまえは今まで止まっていた涙がぼろぼろと溢れだした。
「うっうっ・・ぅわあんッ!リヴァイくん・・ッ、・・こわかった」
なまえは勢いよく座り込んでいた腰をあげ、膝立ちしリヴァイの首元に力の限り抱きついた。
「!」
ぐすりと鼻を鳴らしてリヴァイに抱きつくその様子はまるで幼い子供のようだが、リヴァイは決して離れようとはせずに、ただ黙ってなまえの細い腰元へ両手を回した。
「うぅっ、ぐずっ・・たすけてくれて、ありがとう・・っ」
「・・」
「リヴァイくんもう会えないかと、・・ッおもったあ!」
「・・・・心配でなまえが出た後すぐ追いかけてきた」
「うんっ、きてくれてありがとう・・っ」