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「てめぇらこんな堂々と密会とはな」
「ッ!!」
リヴァイの怒りが含んだその声に、弾けるように2人は離れた。
「リヴァイ兵長っ・・!」
腕を組み冷たい視線で見てくるリヴァイに、なまえはなにから伝えてどうすればいいかと必死に頭を働かせた。
そんななまえの隣にいる男はリヴァイの怒気を帯びた顔付きに「ひぃッ!!」と震えている。
「お前はどうしてもその男がいいのか」
「ち、ちがいます!!どうしても謝りたくて・・!!」
首をブンブンと横に振って、全身で否定するもリヴァイには響いていないだろう。
それもそのはず、最悪なことに抱き合っている所を見られてしまったのだから。
最後だからと受け入れてしまったが、それによってリヴァイを傷付けてどうする。
「秘密にして会ってごめんなさい。でも本当にお別れを・・」
「黙れ」
ぴしゃりと遮られる弁解の言葉と今まで初めてみた、リヴァイの全てを見放した氷のような瞳になまえは「・・・・ごめんなさい」と、じわりと瞳が潤んだ。
「お前はすぐに・・目を離すと別の男にしっぽを振るようだな」
「ちが・・ッ」
なまえのぽろぽろと溢れる涙を見て、リヴァイは面倒くさそうに舌打ちをする。
今朝のリヴァイならどうしたと優しく抱きしめてくれただろう。その違いになまえはまた溢れそうになるものをゴシゴシと袖で乱暴に拭った。
「選べ」
「・・?」
「こいつをとるか、俺をとるか今ここで選べ」
ジッと試されているような瞳に居心地の悪さを感じながらも、もう答えが出ている質問に震えながら口を開いた。
「そんなのリヴァイ兵長に決まって、」
「ならこいつと二度と会うなと今誓え。今後会うことは許さない」
どうしてそこまで?と、眉を下げて戸惑う様子を見せるなまえにリヴァイは咎めるように目を細めた。
「何度も俺の信頼を無くすような事しといて、謝るだけでいいと思ってる訳じゃねえだろうな」
「!・・もう、」
「・・」
「もう・・会わないです、」
大きな罪悪感と、リヴァイから怒られている恐怖心と様々な感情に耐えきれなくなったのか、再びぽろりと溢れた涙に、リヴァイは何度目か分からない舌打ちをする。
「チッ・・おい聞こえたか、お前も約束はちゃんと守れよ。どこの誰だか知らねぇが・・何度も許せるほど俺は優しくねえ」
ギラギラと怒りが露わなリヴァイに、男は冷や汗をかきながら「し、失礼しましたッ!」と、叫びながら大きな足音を立てて去っていった。