お昼を過ぎ、ぽかぽかと暖かい海岸沿いを、鼻歌をうたいながら歩いていくと、真っ白な小さめな建物に、黒い文字で"fragrance"と書かれているすごくオシャレなお店が見える。
絶対ここだな、と期待値があがったなまえは少しだけどきどきしながらお店のドアを開けた。
すると沢山の透明なビンがずらりと棚いっぱいに並んでいる。
ビンには英字の黒ラベルが貼られており、一番横の棚には[プレゼントにオススメ!]の張り紙と共に、白と黒のラッピングBOXが飾られていた。
一瞬でそのオシャレな雰囲気に心奪われたなまえは絶対ここでプレゼントを買おう!と意気込みながら人気ランキングで並んでいる棚の1番から順番に嗅いでいった。
なまえがこの香りいいな、と思ったのは全部で3つあり、その3つを手に取り、どれにしようかと頭を捻っていれば、エプロンをつけた店員さんがその様子を見てくすりと笑った。
「3つとも良い香りで選べないですよね、香水は紙で嗅ぐより、実際に付けてみて1日過ごした方がよりいいと思いますよ」
「たしかに‥。」
最終日にシャンクスとデートするまであと今日含めて3日間あるから、1日1つずつ香水をつけるのは丁度いいのではないか。
とても素敵なアドバイスをくれた店員さんにお礼を伝え、明日明後日とまた来てもいいかとお願いすれば快く承諾してくれた。
「じゃあ、今日はこの1位のやつを付けさせて頂きますね」
右腕にシュッ、と吹きかけられれば瞬時にいい香りが鼻を掠める。
ありがとうございます、とお礼を伝えてお店の外へと出れば、たくさんの数の香水を選んでいればもちろんあっという間に時間は経ち、既に空は暗くなっていた。
お腹がなってしまいそうな空腹感はすぐにご飯を食べたいところだが、まだ来たばかりの島に1人でご飯屋さんを探す勇気はなく、なまえは来た時よりほんの少し早めに足を進め船へと戻った。
「なまえ!おかえり。思ったより早かったなあ」
「シャンクス!なんでまだ船にいるの?」
「なまえ1人だったんで夕飯は船に戻ってくるかと思ってな、当たりだったか」
せっかくの島で、シャンクスが船で食事を取ることなんて滅多になく、大のお酒好きらしく毎日酒場にいるような男だ。それを知っているからこそ自分のために船で待っていてくれたシャンクスになまえは愛しさのあまり心臓がきゅう、と苦しくなった。
「お腹すいたろ?船番で残ってるコックになんか作ってもらおうか」
「へへ、ありがとうシャンクス!」
ぎゅ!!と飛び跳ねるように抱きつけば、シャンクスも嬉しそうに白い歯を出して笑った。
だが、ふんわりと香るなまえからは嗅いだことがないその香りに、シャンクスはぐっと眉を顰めた。
「‥おい、なまえ。お前今日」
「ん?」
「いや、なんでもない」