「あ!」
と口を開いたのはなまえだった。
ジェラートを食べ終え、おしぼりで手を拭いているなまえの目に映ったのは、お礼を伝えたかったけど今日は会えなかったあのお兄さんである。
見つめるなまえの先に居るその男に、シャンクスは誰だ?とほんの少しだけ眉を顰めた。
そんな2人の熱い視線に気付いた香水屋のお兄さんは、なまえの存在にぺこりと頭を下げた。
「ちょっとだけ話してきていい?」と伝えられればシャンクスは頷くしかない。だが気になるその会話にこれでもかと耳を集中させた。
「今日はどうでした?」
「すっごく良かったです!でも1日目が忘れられなくて‥」
そう話す2人に、元々なまえに疑いをかけていたシャンクスは目の前のその男がなまえを抱いている想像を嫌でもしてしまう。
湧き上がるこのどす黒い感情は、もはや嫉妬という可愛い言葉では収まらない。
ピリピリと感じるそのシャンクスの雰囲気に、なまえは待たせすぎちゃったかな?と慌ててお礼を伝えてお兄さんとお別れする。
「ごめん時間長かったよね?」と申し訳なさそうにするなまえの腕をぐいっと引っ張り、荒々しく口付けた。
「ん、んぅ!?」
シャンクスの独占欲の強さは知っていたが、まさか外でキスされる事は初めてで、なまえは驚きからまん丸く目を見開き、どんどんとシャンクスの胸板を叩いた。
しばらくすると離された唇に、「どうしたの?」と顔を赤くしながら訊ねるも、シャンクスからの返答は無い。
無言で引っ張られ、どこかに連れ去られていくなまえは、シャンクスの普段からは考えられないようなその冷たく怖い様子に少しだけ怯えながらついて行く。
ジェラート屋があった商店街を抜け、少し妖しい雰囲気を持つその場所はまさにホテル街のようで、なまえは気恥ずかしそうに下を向いた。
1番近くにあったホテルに迷いなく入るシャンクスの腕に連れられ、鍵をもらって部屋へと入れば、シャンクスは玄関で再び口を奪った。
いつものような優しい口付けではなく、夜に見せる食べられてしまいそうなその熱い口付けに、なまえは息をこぼしながら必死に答えた。
部屋の真ん中にあるベットへと肩を押され、そのままもう一度深いキスがふりそぞく。
「ん、‥。んぅ、シャンクス、?どうしたの」
「お前は俺の女だろ?」
「‥うん」
「上陸する前に心配させるなと俺は言ったはずだぞなまえ」
怒りを含んだそのシャンクスの瞳になまえは何か悪いことをしてしまったかと、働かない頭をぐるぐると必死に思い出そうと奮闘した。