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 何か言われるだろうと体を固めてリヴァイからの言葉を待っていても、リヴァイは口を紡いだままだ。
頭にはてなを浮かべながらなまえはリヴァイの顔をじっと見つめた。

「.....今日の訓練はいつもより厳しいものだ」

「え、あ、そうですね、?足を引っ張らないように頑張ります!」

「...」

「...」

なまえはリヴァイとちゃんと顔を向き合って話せたのは久しぶりな気がした。
思えば最近は恥ずかしさから視線を落とすことが多かったかもしれない、と再び訪れた沈黙になまえはぐるぐると頭で考えた。

「お前、最近何を考えている」

「へ」

突如リヴァイはぎらりと視線を鋭くした。

なまえの時説ぼーっとするのは訓練の休憩中でも数回あった。リヴァイも気付いていたのだ。
少し前になまえに"戻りたい"と泣きそうな顔で言われ、リヴァイは少なからず気にしていた。そんななまえの上の空はリヴァイにとって良い予感はしない。

「考えるって、別にそんな悩みなんてないですよ!」

「ペトラからも聞いた」

「いや、その」

「おい。ちゃんと答えろ」

「...全然大したことないやつなんです、ほんと」

そんなリヴァイの気持ちはつゆ知らず、なまえは自分がリヴァイのことを考えている事がバレたのではないか、とドキリとした。

「大したことない事でもいいから言え」

「それは...」

「...」

嘘をついてしまおうか、そうなまえは考えたが、口ごもり中々言い出さないなまえにしびれを切らしたのか、リヴァイの苛立ちに気づきなまえはおそるおそる口を割った。

「リヴァイ兵長の、こと、ですよ.....」

そう弱々しくいったなまえの顔は、薄暗い中でも分かるほど真っ赤に染っていた。
予想外のなまえの反応にリヴァイはほんの少し目を丸めた。

「そうか、」

と呟いたリヴァイの顔を見れずになまえは下を向いた。
なんでこんな事を本人に言わなくちゃいけないのか、と緊張のせいもありリヴァイを心の中で怒りたいほどである。


照れたように手の甲で口元を隠したなまえの腕を掴んだリヴァイは、そのまま反対の手でなまえの首元を掴んだ。

荒々しく重なった唇に、今度はなまえが驚く番だった。

「ん、っ!」

角度を変えて、もう一度キスを落とされて離れていったリヴァイの顔は、心做しか口元が上がっていた。

「悪くねェな」

先程の険しい目付きとは違い、奥底に熱を帯びたようなそのリヴァイの瞳になまえは胸が打たれるようだった。

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