「いや、でも実際どうなんだろうな本当に」
「気になるけど兵長相手には聞きにいけないよな〜」
「確かに、何なら触れていいか分からないな」
リヴァイ兵長といえば今まで女の陰なんて一切なく、禁欲生活でもしているのかと考えるほど淡白に思えた。
そんなリヴァイだからこそ、少しでも女性と仲が良ければやはり目はいく。
「でもなまえって兵長のことだいぶ昔から好きじゃなかったか?」
「おいそうなのか?」
「まあね、オルオ意外はみんな気付いてたわよ。・・でもそれなまえには言わないであげてね、隠せてるつもりらしいから」
「はあ!?あれで?!」とエルドが声を荒げた。
それもそのはず、しばらくなまえと共に過ごせばすぐにわかる事だ。明らかに他の男と話す時とはまるで違う、リヴァイと話してる時のあの照れ具合。
とにかく、ここのところの変化をオルオ以外が感じているなんて、明らかに何か変わったじゃないか、とペトラはなまえから自分に報告されてないことに少し不満を抱いた。
「もしかして最近よく考え込んでるとは思ってたけど、兵長との事だったのかな...」
「確かに休憩の時とかいつもボーッとしてたな」
「なまえったら言ってくれてもいいのに!」
沢山相談乗ってあげるのに、とペトラは眉を顰めて腕を組んだ。
「ああ、噂をすればってな」
そういったエルドの視線の先には話題の2人が並んで歩いてきた。
今まで2人が一緒に集合場所に来ることはなかったが、変わったのはこういう所だろう。
「集合の前に2人で会ってたってこと、かな」
「いやたまたま会っただけじゃないか?」
リヴァイとなまえの登場に、皆視線を2人へ注いだ。
ペトラやエルドは横目でちらりと見るが、オルオはまだ信じていないのか、がっつりと見つめた。
すると2人の話こそ聞こえないが、リヴァイがなまえの頭に手をやったのは、4人の目を大きく見開かせた。
「...っ!ちょ、」
「...もしかしたら、というか本当かもな」
「なまえのやつ、俺ですらあんな事されたないのに!」
「オルオ、お前は一生ねぇから諦めろ」
まさか4人とも自分達の事を見ているだなんて、思いもしないなまえはただ顔をほんのりと染め、その頬は幸せそうに緩まっている。
「まじか...、」と呟いたオルオの声がリヴァイとなまえに届くことは無かった。