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*5000hitリク 『望めよ腹上死』結婚or付き合ってる報告
妹とは一回りほど歳が離れている。妹の世話をよくしていた方だと自負している。両親の代わりに幼稚園に迎えに行ったり、授業参観に出たことなどもある。妹も私に対し親愛を寄せてくれている。そんな妹が可愛くて仕方ない、目に入れても痛くない。なんて、私はシスコンなのだろうか。
だからこそ名前は医師である私のサポートをしたいと看護師を志したのだ。
兄の贔屓目もあるかもしれないが名前は看護師として優秀だ。他看護師、他職種からの評価が良いのももちろんだが患者から持たれる印象もいい。自慢の妹だ。
そんな妹が・・・そんな名前が・・・まさか、・・・
ピシャリ、と警策で肩を叩かれる。
「乱れていますね、心が。」
「ふふ、・・・いけませんね、今日はどうにも。」
瞑想するのを諦め姿勢を崩す。流石に、昨日のアレは私でも堪えた。
「お兄。」
「なんだい名前」
「私結婚する」
「・・・え?」
「結婚する」
「ちょ、ちょっと待って。名前今付き合ってる人いたかい?」
そうだ、なにに驚いたかと言えば私の知らない間に恋人がそもそもいたということだ。今までできた恋人については全て私に報告していたというのに、何故だ・・・?
「いた。」
「・・・・どこの、誰なんだ。私の知っている人?」
「うん」
私が知っている人物で、名前が出会うとすれば・・・・やはり病院内の職員か。
誰だ?整形外科Dr.の荒井くん・・・?3階病棟看護師の長谷川くんか?・・・いや、最近理学療法士の藤崎くんともよく話してる姿を見ているような気もするな。
「・・・誰、なんだ?」
「うーん、と、なかなか言いづらいんだけれどね。だから、明日当直入りする前の17:00にカンファレンスルームCに来てください」
と、いうわけなので乱れて仕方のないこの心を落ち着かせるために座禅にきたのだけれどまるで落ち着かなかった。
・・・・駄目だな、この精神状態では。場合によっては相手に掴みかかってしまうかもしれない。
ふぅ、と一息つき時間になったので指定された場所へ向かい扉を開けた。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
うーん、そうか。そうきたか。うん、ちょっと待って、一回状況をまとめないとどうにもならないから部屋出ようかな。よいしょ、パタンと。あれ、建てつけ悪いなこの扉。
「先生!先生ちょっと待ってください!!!僕じゃ先生の妹さんの婿として力不足なのは重々承知はしていますが話を聞いてください!!お願いします!」
「独歩くん!違うんだ!ただちょっと冷静にさせてほしいから一回部屋を出させてくれ!扉から手を、離して!」
間
「と、いうわけで。独歩と私の出逢いをこちらのフリップを使って説明したいと思います。」
「え・・・?あ、うん、続けて」
わざわざフリップ作ってきたのか。
「それは8月27日19:30頃のこと。日勤で残業を終わらせて帰る際のできごとでした。そこで私たちは はい、めくって」
「はい、」
「デンッ放射線科のー、そう!MRI!はいっ7番のっはいっ前で出会いました」
「うん、ちょっと待って。フリップやっぱりしまってくれるかな」
全然内容が頭に入ってこない。めくるところ多過ぎるよ。
「それでねぇ、やだこの人可愛いっ!ってなって気づいたら準備室に連れ込んで抱いてた。私が。そこからお付き合いを始めているんだけれどもお兄大丈夫?顔色悪いけどガーグルベースン要る?」
「大丈夫・・・・つまりは君たち今付き合って3ヶ月ということだね。」
「そうだね!」
うーん、独歩くんも多少の難はあるけれどもいい子だ。とは、思うがまだ3ヶ月だし、結婚するのはどうなんだろうか。
「名前、独歩くんには一目惚れだったとは思うけれど、結婚するにあたってどこがポイントだったのかな?」
「身体の相性かなぁ?」
「わっ!!!ちがっわーー!僕は名前さんの人懐っこいとことか大胆なところとか注射するのが上手いところとかが好きになりました!」
いけない、頭痛がしてきた。私の育て方がまずかったのか?自由に育てすぎたのかもしれない。
交際相手についても、名前が選んだ相手だと思いあまりとやかく言ってこなかったし、今まで付き合い方で目についたこともなかった。
「お兄、今育て方間違えたって思ってるでしょ」
「あぁ、そうだね・・・」
「ふふ、ごめんね。ちょっとお兄のこと困らせたかったの。」
あはは、ごめんねほんとうに、一頻り笑った後 はぁー、と息を吐き名前が私に向き直った。
「出会い方については本当なの。準備室も勝手に私用で使ってごめんなさい。でもね、私が独歩と結婚したいと思ったのは彼の生真面目さと共存する危なっかしさなの。だってお兄だって分かるでしょ?この興味深さ。この危なっかしさについてもっと知りたいし振り回されたいと思うし支えたいと思う。だから結婚しようと思ったの。」
そもそも、一目惚れとは科学的にはとても合理的なことなのだという。諸説あるが、遺伝的性質が現れている見た目から子孫を残すための最良の相手を見つけているというのだそう。
一目惚れから長続きしている夫婦だってごまんと居るのだ。
・・・分かってる。分かっているんだ。けれどもどうしてと認められないのはそうだきっと兄の手を離れてしまう妹に対して寂しさを抱いているから。
だから少しだけみっともないけれど養育者の悪足掻きをさせてくれ。
「お兄ちゃんは、結婚を許しません!」
名前にはまだ早い。私の手を離れるのは、ね。
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春香様リクエストありがとうございました!
ちなみに年齢的に
先生>独歩>名前ちゃんって感じです。かなり歳離れてる妹ちゃんに物凄く手をかけてたと思います。でも最終的には許すんだろうなぁ。