水中アクアリウム


※5000hit 夢主のことが好きで仕方ない夢野(匿名の方)


君が、どうしても行きたいと駄々をこねたから連れて行った水族館。平日だというのに人混みが凄く、うっかりすると君が迷子になってしまうのではないかと気が気でならない。ふらふらと泳ぐ名前の手を掴み奥に進んだ。

「海月」
くいくいと私が掴んだ手を引っ張り目を輝かせる名前が見て見てと共同注視を促すので目をやるとふわふわと白い傘が水中で漂っていた。その隣の水槽には奇抜な色をした海月も浮かんでいる。

「海月ってお家で飼えるのかな」
「飼えるみたいですよ」
「えー!そうなんだ。ねー・・・」
「ダメですよ。飼いません。」
「・・・はぁい」
「貴女の世話だけでうちは大変ですからね」

口を尖らせて少し拗ねた名前の頬を突くと 反抗して頬を膨らませてきた。ハリセンボンのようだなと思っていたらちょうど次の水槽にいた。

「おや、名前。御親戚ではないですか?」
「違うよっ」

幻太郎の意地悪、とポコポコと私の胸を叩く名前を適当にあしらい次へ。
ひんやりとした空間は ペンギンの水槽で、このエリアの人口密度はかなり高い。

「やっぱり可愛いー、ペンギン可愛いーっ」
「・・・貴女の方が可愛いですよ」
「えっ・・・」
「もちろん嘘ですけどね。」
「ええー、そんなぁ」
「ペンギンの可愛さに勝ろうなど烏滸がましいでしょう」
「うん、そうだね!」

・・・否定、しろよ。君は可愛い。
なんて、絶対に言ってはやらないのだけれど。

鼻歌を歌いながら私の肩にもたれかかる名前が このままずっと私の傍に居てくれるようにと願うばかりだった。
ペンギンの親子が同じように寄り添っているのが見えた。


「ここーっここ来たかったの!」
「忙しないですね、まったく」

でも彼女が興奮するのも分かる。大水槽はここのメインなのだから。何種類、何匹いるのだろうか。数えるなんて気にもなれないほど多くの水棲生物たちが漂っている。きらきらと光る鱗が眩しい。

水槽に額をくっつけて中を食い入るように眺める名前の姿は周囲の子供に完全に馴染んでいる。
暫く眺めていた名前が急に水槽から顔を外しきょろきょろと見渡した。

「 ・・・・、」

紡ぐ、その名前は私の名前ではない。迷子が母親を探し求めるように、不安げな表情を浮かべる名前。
思わず視界を、耳を塞ぐように、私の中に彼女を閉じ込めるようにして抱きしめた。

「名前」

「・・・幻太郎ー?どうかしたの?」


抱きしめる力を少し緩めると いつものような暢気な表情でこちらを見つめる名前に胸を撫で下ろした。

「そろそろ帰りましょうか」
「んー、そうだね」

彼女の手を握り薄暗い水族館の中を只管進み、出口を目指した。
離れないように、どうか名前の心が私の元から離れないようにと神に祈った。
ただしその神はきっと邪神に違いないだろう。
これが、ハッピーエンドの物語であれば、きっと彼女は彼のことを思い出し彼の元に走り出し愛し合う2人は結ばれるのだろう。
けれど、悪いがその結末にさせるつもりは毛頭ない。

地獄に堕ちても構わない、この嘘だけは。

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与良の夢野先生って基本的に苦しい思いしてる
感じなんですけどだってYou MC ファントムだし。
って思いながら書いてます。きっとこの人恋に素直じゃないんだろうなー。だからこそ夢主に全力で
愛させてます。
まぁそれに小劇場で結構甘い汁吸わせてると思うので許せ!と。
そんなかんじです!
リクエストありがとうございました!