あれは、帝統?・・・何故小生はこんな宙に浮いたようなアングルから見ているのでしょうか。
「ん?乱数、幻太郎待たずに行っちまっていいのか?」
「やだなぁ帝統ぅ・・・幻太郎はこの前、突然現れた猪にぶつかっちゃって死んじゃったんじゃんーっうぇえええん!!!!ひどい事故だったよぉお!!!」
シブヤに、猪?・・・それに、俺は死んだのか?
「・・・そ、そうだったな。すまん乱数、そうだ、うん、そのために今から幻太郎の仇を討つために猪を退治しに行くんだよな!」
「今夜は牡丹鍋だよ!えいっえいおー!」
「よーし!見ててくれよ幻太郎!必ず仕留めてみせるからな!うぉおお!!!」
「・・・馬鹿な帝統。シブヤに猪なんているわけないだろう。幻太郎を殺したのは俺なのに。・・・でもさぁ、幻太郎が悪いんだよぉ??僕の可愛い可愛いなまえに手を出すんだからぁ〜〜もぉっメッしちゃったじゃん〜〜?」
そんな!乱数が小生を?!・・・いや、あれは口が滑っただけで手は出していないし、それに、全然好きなんかじゃ、
「あの毛虫なんて全然好きなんかありません!!」
思わず叫んだと同時に、目が覚めた。
どうやら夢であったらしい。・・・夢、で、よかった。
みゅぅ、と鳴き声がして布団を捲る。のそのそと這い出てくる子猫。昨日からの同居人、いえ、同居猫でしょうか。
「おはようございます、タマ」
確かに出逢った時から人懐っこいとは思っていましたが。まさか初日で同衾してくるとは思わなかった。昨日寒かったのもあるのだろうか。
タマを腕の中に収め撫でる。やはり生き物のこの温もりというのはいいものだ。
早朝のひんやりとするこの空気の中タマの体温はとても温かく感じた。
もう一眠りするかと布団に肩まで潜り寝返りを打つともふっとした感触。デジャヴ、人はこれをデジャヴと呼ぶ。
「・・・・ん、おはよ。」
声にならない声というものを生まれて初めてあげた。
何故なら彼女は生まれたままの姿でいたのだから。
もそもそと先程のタマ同様布団から這い出てふわ、と欠伸をするなまえの姿を上から下まで3往復くらい眺めてしまった。結構胸があるなだとか着痩せするタイプだなとかついついいつもの観察してしまう癖が出てしまったためワンテンポ遅れたが、もしかして俺は・・・いや、まだそうと決まったわけではない。このタイプの動物好き電波系女子は寝る時に全裸だという可能性が高い。
そっと彼女の肩に手を置き
「昨晩は、」
「幻太郎って、見かけによらず結構荒々しいえっちするんだね。」
今まさに小生の壮絶な半生が走馬灯のように脳裏に駆け巡り・・・いやいや、まだ人生を諦めるのは早い。
「嘘でしょう?」
「えー・・・覚えて、ないの?あんなにたくさん、中にだしたのに?」
アンナニタクサンナカニダシタノニ?
いよいよ思考がフリーズしてきた。世界が、時間の流れが、どろどろと停滞しているような感覚がしてきた。
「・・・というのは嘘、だけど」
「ですよね?」
時間がパッと再び流れ始めた。よかった、やはり俺は過ちを犯していないようだ。これで今朝の夢が正夢にならなくて済・・・
「うん、ゴムちゃんとしてた、もの。」
ね?と目の前に出された口を縛られたコンドームの中には白濁。
・・・あぁ、思い出したさ。いや、本当はちゃんと憶えてもいた。
俺は昨晩この部屋で、なまえを抱いた。
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