ぼんやりと揺れる豆腐を見つめる。ぐらぐらと揺れる味噌汁の中で揺れる豆腐を見るのは別に面白いわけでもないが。徐々に徐々にその揺れが大きくなる。

「幻太郎、味噌汁沸騰してる、よ。」
「へ・・・・あぁ、今止めます。」

先程風呂を貸して欲しいと言われ貸したなまえが帰ってきていたようだ。まだ少し髪が濡れている。
「あと、鮭焦げてると思うけど。」
「・・・・これは、うっかり。・・・はぁ、」
「大丈夫?」

駄目だ、全然まともに思考できない。昨日のことを一通り思い返してみればみるほど疑問しか湧いてこない。何故チームメイトの、乱数の双子の妹を抱いてしまったんだ俺は。双子の、妹だ。もう殆ど乱数じゃないか。これはもう乱数を抱いたに等しいのでは・・・?待てよ、ギリギリ乱数なら抱ける気がする。いや、そうではなくて・・・
「幻太郎。」
「・・・・はっ、またなんか焦げましたか?!」
「ううん、平気だ、けど。もしかして私とえっちしたので悩んでる?」
「ふふ、そんなことありませんよ。小生はこれでもワンナイトキラーの異名を持つ男なのでね。」
「・・・じゃあ、昨日だけ?」

きゅ、と僕の服を握るなまえがこちらに顔を向けことりと首を傾げる。・・・遺伝子とは恐ろしいものだな。乱数もこうやって女性達をオトしているのだろうな。

「嘘ですよ。これでも貞操観念はしっかりとしている方ですよ。だから、責任を取らせてくださいなまえさん。」
「そんなのいいの、に。私もたまに」
「それ。」
「ん?」
「今後はなしです。俺の恋人になるのですからほかの男性と寝るのは禁止です。」
「んーー・・・・・いろいろツッコミたいところはあるけれど・・・いい、よ。」


思考がまとまらないなりに、考えてみた。このまま一夜の過ちで終わらすより真剣に交際をしているという方がまだ乱数に顔向けできる。
なまえは変わった女の子ではあるけれど、付き合えなくもない。タマのこともいろいろと聞ける。うん、それでいいじゃないか。

すっと、なまえの身体を抱き寄せて腕の中に閉じ込めた。ふわりと香るシャンプーの香りは当然ながらうちのシャンプーの香り。

今は、全然心の底から愛せる気はしないが。きっとこの子を好きになれるはず。

「これから、よろしくお願いしますねなまえ」
「うん、よろしくね。」