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大樹君が起きてからはとにかく今までの作業時間が短縮された。それは私 でも驚く彼の底なしのスタミナによるものであり、まさかこれで一般人とはと恐れ入った。
私は千空から彼の話を聞いたとき、その話の荒唐無稽さから念能力者の可能性を一番に疑った。その為彼が目覚めたことを知った私は最初姿を隠して様子を見ることにした。千空は呆れた様子で「アイツにそんな嘘をつくとかいう高等技術はない」と言い切っていたが、私からすれば千空が騙されている可能性だってあり得た。彼はどうもかわいいところがあるので。
ところが予想はいい意味で大きく外れた。念能力者でもなければ本当に嘘すらつけないような人物だったのだ。
「天然記念物だ、保護しないと……」
「確かに奴は天然記念物だが別に守ってやる必要はねーよ」
「絶滅しちゃう……」
「しねーわ。幼馴染とくっついて逆に増えるまであるわ」
「ほう?」
「いやに食いつくじゃ……いやちげーな。”その一家守らねば”とか考えてるだろ」
「へへ、最近センクーに思考読まれすぎだなぁ」
「どんだけ一緒に過ごしてると思ってんだよ。わかるわ」
実際本当に私の次の手を軽く読まれては、必要そうなもののリストアップなどが終わっていることがままある。
彼には先回りして物を用意することは不可能なため、私の手を読んだとしてもそのサポートをしてくれるだけだがそれが有難い上時間の短縮になるのである。
「おら、そろそろ遠出してぇんだろ」
「え、それもわかるの?」
そう言い終わらないうちに膨らんだ革袋を手渡される。細々と道具が入っているようで、ぱっと中身を検分した感じ練薬や保存食、竹筒に入れられた水や予備の皮靴などが入っていた。
「大樹が信用出来て、お前の負担が減った。ならお前は今まで俺を一人にするから気にかけて出来なかった遠出を考える。だろ?」
「……へへ、大正解。海岸や山頂とか日帰りじゃ行けないとこにある素材も沢山あるし。センクーも欲しいでしょ?」
「ほー、言ってみやがれ?」
「山梨、山葡萄、木苺……あとは大理石、石灰岩、サンゴ、貝殻」
「ックク」
「どのアルコール原料と炭酸カルシウムが欲しい?」
「ホント最高だぜお前!」
「ふふ相互理解〜」
いい笑顔で手を取り合う二人をなぜか嬉しそうに大樹が見ていた。
四日ほどかけて素材採集し、途中で狩った熊と鹿で大きな革袋を二つほど増やして拠点に帰った時、何やら大きな瓶と甘い香りが漂っていた。
「よくぞ無事で!!」
「ああ、うん。ていうかそれ……」
「やっとお帰りじゃねーか瑠奈。デカブツが見つけてきたんだよ、野生のブドウをな!」
「えぇ〜リアルラックすげ〜…じゃあこれは用済み?」
革袋から取り出した山梨を見せると千空は飛びついた。
「お前もまじか! 梨はこの時代の野生のモンだとちとアルコール発酵はしにくいだろうが、貴重なビタミン! ていうか海方面行ってたよな!?」
「まためちゃめちゃ喋り出した……」
「あ!? この袋ン中サンゴと貝殻入ってんな!?」
「海も川も山も行ったよ」
「約3日の行動範囲じゃねぇだろ!」
「ほら越冬のための燻製熊肉よ」
「どおりで熊と鹿の袋が増えてんなと思ったぜ! やべーなありがとな!」
狂喜しながら「うわこっちの袋は、えー…山査子、ナツメ、弟切草、蓬にツワブキにノビルに山葵ってお前! おありがてぇ薬草どもじゃねーか!!」と大興奮の千空は置いておいて、焚火の近くで放置されている籠に近づく。
中身はぱっと見で口にしてはいけないものたちなのが分かる。何やらすごくたくさんあるが。
「ああ、瑠奈さんこれはダメなやつなんだ! なあ千空!」
「あ? まあ瑠奈なら見てわかんだろ」
「テングタケ系めっちゃあるね。てかトリカブトと毒ウツギ! 毒ゼリがあれば日本三大有毒植物揃ってたねコレ誰殺すの?」
「粉砕して動物の油と混ぜりゃ強力な毒槍ができるな」
「わー…怖いから毒耐性つけよっと」
「絶対やめろお前今やんなよお前俺が解毒物質作れるようになるまで絶対手ェ出すんじゃねーぞ!」
「そうだぞ!」
「センクー先生は”俺がどうにかできるようになればOK”って言ってるけど良いんか?」
「なにーっ!? ……いや千空がどうにかできるならいいか?」
「信頼が厚いね」
とりあえず私のこの先の為にも微量ずつこっそり対毒訓練はしておこう、と考えていると千空にとても怖い顔で睨まれた。
あ、考え読まれてるんだった。
私は千空から彼の話を聞いたとき、その話の荒唐無稽さから念能力者の可能性を一番に疑った。その為彼が目覚めたことを知った私は最初姿を隠して様子を見ることにした。千空は呆れた様子で「アイツにそんな嘘をつくとかいう高等技術はない」と言い切っていたが、私からすれば千空が騙されている可能性だってあり得た。彼はどうもかわいいところがあるので。
ところが予想はいい意味で大きく外れた。念能力者でもなければ本当に嘘すらつけないような人物だったのだ。
「天然記念物だ、保護しないと……」
「確かに奴は天然記念物だが別に守ってやる必要はねーよ」
「絶滅しちゃう……」
「しねーわ。幼馴染とくっついて逆に増えるまであるわ」
「ほう?」
「いやに食いつくじゃ……いやちげーな。”その一家守らねば”とか考えてるだろ」
「へへ、最近センクーに思考読まれすぎだなぁ」
「どんだけ一緒に過ごしてると思ってんだよ。わかるわ」
実際本当に私の次の手を軽く読まれては、必要そうなもののリストアップなどが終わっていることがままある。
彼には先回りして物を用意することは不可能なため、私の手を読んだとしてもそのサポートをしてくれるだけだがそれが有難い上時間の短縮になるのである。
「おら、そろそろ遠出してぇんだろ」
「え、それもわかるの?」
そう言い終わらないうちに膨らんだ革袋を手渡される。細々と道具が入っているようで、ぱっと中身を検分した感じ練薬や保存食、竹筒に入れられた水や予備の皮靴などが入っていた。
「大樹が信用出来て、お前の負担が減った。ならお前は今まで俺を一人にするから気にかけて出来なかった遠出を考える。だろ?」
「……へへ、大正解。海岸や山頂とか日帰りじゃ行けないとこにある素材も沢山あるし。センクーも欲しいでしょ?」
「ほー、言ってみやがれ?」
「山梨、山葡萄、木苺……あとは大理石、石灰岩、サンゴ、貝殻」
「ックク」
「どのアルコール原料と炭酸カルシウムが欲しい?」
「ホント最高だぜお前!」
「ふふ相互理解〜」
いい笑顔で手を取り合う二人をなぜか嬉しそうに大樹が見ていた。
四日ほどかけて素材採集し、途中で狩った熊と鹿で大きな革袋を二つほど増やして拠点に帰った時、何やら大きな瓶と甘い香りが漂っていた。
「よくぞ無事で!!」
「ああ、うん。ていうかそれ……」
「やっとお帰りじゃねーか瑠奈。デカブツが見つけてきたんだよ、野生のブドウをな!」
「えぇ〜リアルラックすげ〜…じゃあこれは用済み?」
革袋から取り出した山梨を見せると千空は飛びついた。
「お前もまじか! 梨はこの時代の野生のモンだとちとアルコール発酵はしにくいだろうが、貴重なビタミン! ていうか海方面行ってたよな!?」
「まためちゃめちゃ喋り出した……」
「あ!? この袋ン中サンゴと貝殻入ってんな!?」
「海も川も山も行ったよ」
「約3日の行動範囲じゃねぇだろ!」
「ほら越冬のための燻製熊肉よ」
「どおりで熊と鹿の袋が増えてんなと思ったぜ! やべーなありがとな!」
狂喜しながら「うわこっちの袋は、えー…山査子、ナツメ、弟切草、蓬にツワブキにノビルに山葵ってお前! おありがてぇ薬草どもじゃねーか!!」と大興奮の千空は置いておいて、焚火の近くで放置されている籠に近づく。
中身はぱっと見で口にしてはいけないものたちなのが分かる。何やらすごくたくさんあるが。
「ああ、瑠奈さんこれはダメなやつなんだ! なあ千空!」
「あ? まあ瑠奈なら見てわかんだろ」
「テングタケ系めっちゃあるね。てかトリカブトと毒ウツギ! 毒ゼリがあれば日本三大有毒植物揃ってたねコレ誰殺すの?」
「粉砕して動物の油と混ぜりゃ強力な毒槍ができるな」
「わー…怖いから毒耐性つけよっと」
「絶対やめろお前今やんなよお前俺が解毒物質作れるようになるまで絶対手ェ出すんじゃねーぞ!」
「そうだぞ!」
「センクー先生は”俺がどうにかできるようになればOK”って言ってるけど良いんか?」
「なにーっ!? ……いや千空がどうにかできるならいいか?」
「信頼が厚いね」
とりあえず私のこの先の為にも微量ずつこっそり対毒訓練はしておこう、と考えていると千空にとても怖い顔で睨まれた。
あ、考え読まれてるんだった。