奥村さん家の妹ちゃん9
『雪ちゃんどうしたの?』
さっきからこの言葉を繰り返すけれど、雪ちゃんからの返事は返ってこない。帰ってきてからずっとわたしのことを前からぎゅっと抱きしめたままの雪ちゃん。
『どこか痛いの?』
「ううん。大丈夫、痛くないよ」
そうは言うけれど明らかにいつもの雪ちゃんじゃないことくらい、わたしにだってわかる。何か嫌なことでもあったのかな。抱きしめられて顔は見れないけど、きっと雪ちゃんは泣いているんだろう。
『雪ちゃん、頑張りすぎちゃだめだよ』
そっと雪ちゃんの背中に手を伸ばして、ぽんぽんと叩いてあげる。
『じゃないと疲れちゃうよ』
ごめんね、こんなことしか言えなくて。
少しだけ抱きしめる力が強くなったと思えば、雪ちゃんがゆっくりとわたしを解放した。
「そうだね、マイ。ありがとう」
そう言う雪ちゃんの目は泣いたせいか赤かったけれど、いつもみたいに優しく笑っていたからちょっと安心した。
なぐさめた!
「ねぇ、マイ。今から一緒にお散歩行こうか」
『うん!行く!』
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