*140字SS集(MHA)
「じゃあ、私たちはここで」
「麗日さんと兎澤さんの家は一緒の方向なの?」
『そう。同じマンション』
「昨日発覚してびっくりしたんだ」
「へぇ。それは心強いね」
「本当そうなんだよ。安心というか心強いというか」
『あ、お茶子ちゃん。夕ご飯どうする?』
「え!?今日も行っていいの!?」
『もちろん』

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「理緒ちゃん!?」
『悩んでる暇なんてない』
「兎澤さん?一体何を」
『それなら強行突破で道を作るしかないでしょ?』
足蹴りでコンクリの壁を破壊した後に振り返ってにやりとドヤ顔する理緒。
この壊した壁の修理費が恐ろしいことになってること間違いなし。

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『ダメ。散らかってるから絶対ダメ』
「どうしたん?」
『あ、お茶子ちゃん。みんなが私の部屋見たいって言うから全力で拒否してたの』
「え!?なんで!?理緒ちゃんの部屋、お洒落だから何の心配もいらないじゃん」
『お洒落じゃない!無理、恥ずかしい』
「なんだ、恥ずかしいだけか。お邪魔しまーす!」

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「なぁ、理緒ちゃん」
『ん?』
「最近、飯田くんとどうなん?」
『どうって…』
「デートしたんやろ?しかも理緒ちゃんから誘って」
『ぶっっ!?』
「大丈夫?」
『お茶子ちゃん?なんなのその情報』
「え?違うん?」
『まぁ…ある意味間違っちゃいないけど』
「ほほー。詳しく聞かせてもらおうか」

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靴を履いていると後ろから聞き覚えのある声がして顔を上げる。
「おはよう、兎澤くん。これから出掛けるのか?」
『おはよう。そう、ちょっとそこまで。もしよかったら飯田くんも一緒に行く?なんて、』
「今すぐ準備する。少し待っていてくれ」
『う、うん…半分冗談だったのに』
でも、少し嬉しい理緒。

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腕に重みを感じて隣を見れば、俺の腕に寄りかかる眠そうな彼女の姿。
「兎澤くん?」
『ん…ごめん、飯田くん。少しだけ、寝てもいい?』
「構わない。目的の駅に着くまで時間があるから眠るといい」
『うん…ありがとう』
理緒が寝てから向かい側の窓に映る自分達の姿を見てひとり照れてる飯田くんが見たい。

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『いっ、た…飯田?』
「…君は、もう少し自分が子供であることを自覚するべきだ。どうして君がこんなに傷つく必要があるんだ」
『HLでは大人も子供も関係ない。あそこは常に生きるか死ぬかの世界だ。そんな世界で、自分が必要とされているなら。傷ついてでもそれに応えたいと思うのが普通でしょう?』

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彼女には彼女の世界があることを十分承知していたつもりだった。だから、この想いは仕舞っておこうと思っていたのに。
『ごめん、見なかったことにして』
僕の前だけで見せた涙忘れられなくて
「っ、兎澤くん!」
『飯田…くん?』
「お願いだ…行かないでくれ」
未だにこの手を離せないでいる。
『ごめんね』

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