「ロミオとジュリエットかァ〜〜…」
テレビを見ながら、メローネは息をつく。
「ロミオとジュリエットォ?メローネってそういうの好きだっけ?」
コーヒーを二つ持って、メローネの隣に腰掛ける。
コーヒーを一つメローネにやると、彼はちらりとコーヒーに目をやり、ありがとうと言って自分の前に引き寄せた。
「いいじゃあないか、ロミオとジュリエット。中々ロマンチックだろう?…あ!にっが!名前これ、ミルクも砂糖も入れてないじゃあないか!」
ぶへっと嫌な顔をしてメローネは矢継ぎ早に言う。
おかしいな、さっきちゃんと砂糖とミルクを入れたのにと自分のカップに目を落とすと、甘そうなブラウン色の液体が入っていた。
しまった、間違えて渡してしまったか。
「ああ、ごめんごめん!それ私のだわ、こっちがメローネの。」
「君っていつもブラックで飲んでるのかい?苦くないのォ?」
「苦いのがいいんじゃない。甘いのなんて、胸焼けしてしまうわ。」
ずず、とあたたかいコーヒーを啜る。
この苦味の美味しさを分からないなんて、残念な人。
「それで、何の話だったかしら?ロミオとジュリエット?」
「ああそうさ、ロミオとジュリエット。素敵だろ?」
「ああロミオ、どうして貴方はロミオなの?ってね。素敵かもしれないわね。」
「かもって言うのは?」
「だって、最後の方はあまり良くないじゃあないの。」
もう一口コーヒーを飲む。
じんわりと指先が温まってきた。
「最後のほうって言うと、駆け落ちして死んでしまうところか?
確かにあれは切ないね。だがこの切なさがディモールトいいって事だろ。
俺にはそこはあんまり理解出来ないけど。」
メローネも一口コーヒーを啜る。
やっぱりこの味が飲みやすい、と満足気な顔をで言った。
「あら、私終わり方は好きよ。あの何もかもうまくいかない世知辛い感じがね。ロマンだわ。ただね、なんていうのかな。紆余曲折、結局くっついて幸せ。死にはするけれど円満解決っていうのが納得いかないのよ」
「…君ってほんと俺と意見合わないよなァ」
「貴方がコーヒーの苦味を好きになってたら、ピッタリ合っていたかもね。」
クス、と口元で笑って見せるとメローネは露骨に嫌そうな顔をして
「だから君は可愛げが無いんだ」
にがみ
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