…なんて言ったのは結構前になる。
少し欠けた仲間を憶いながら車に乗り込む。あれから少し、財団の支部でお世話になり、今日は各々帰る日だ。
完治するまでここに居ろと財団の人には大変止められたが、そうにもいかない。
私やポルナレフはともかく、承太郎とジョースターさんはホリィさんの容態を見に行かなければならない。
「ワシらは日本に帰るが…ポルナレフ、名前。お前らはどうするんじゃ。」
荷物を床に置いて、少々雑談に花を咲かしていたが、日本行きの飛行機のアナウンスが始まった。ジョースターさんはそう言って私たちの顔を見る。
「どうするの?ポルナレフ。」
隣で少し唸っていたポルナレフに問いかける。あれから、財団で世話になっている間にこれからの方針はおおまかに決めた。
私はポルナレフの行くところに着いて行き、少しの間同棲をしよう。結婚はそれからだ、という話になった。
いきなり同棲、結婚なんて話が早いんじゃあないかとも言ったのだが、結婚に早いも遅いもあるかと熱弁されてしまった。
「ああ、決めたぜ。俺たちは俺の故郷、フランスに帰る。」
ある程度予想はついていたので、私はそっか、と相づちをひとつついた。
「俺”たち”ィ?」
ジョースターさんが驚きの表情でこちらを見やる。流石の承太郎も怪訝な顔をしている。
「ええ、ジョースターさん。私たち、きっとそろそろ結婚するの。まだ先の話ではあるんだけどね。」
無言。無音。強いてはガヤガヤと外野の音が聞こえるくらいの数秒。
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待て!!結婚?ポルナレフと、名前が、か?」
口角をにやにやと上げたジョースターさんが詰め寄る。背をぐぐっと逸らしてもまだ近いくらいだ。
すると私の前に手のひらが見えたと思うと、ジョースターさんの顔が遠のいて行く。
勿論手の主はポルナレフだ。あきれ顔を惜しみなく全面に出している。
「そう言ってるだろォ?ジョースターさん。」
これでもかとぐいぐいジョースターさんの顔を押すポルナレフ。少し怒ってない?
「式には呼べよ。」
驚きからやっと脱出した承太郎はそれだけ呟いて、ジョースターさんを引っ張って搭乗口に向かった。
「もちろんだよ!絶対来てよね〜ッ!」
大きく手を振って答えると、承太郎も不敵に笑って、小さく手を振り返した。
時期に彼らの大きな背中も人ごみにまぎれ、見えなくなった。
飛行機はフランス行きのアナウンスを始めたようだ。
「帰っかァ。」
「そだね。」
軽くなった荷物をかかえて私たちも歩き出す。
式には花京院やアヴドゥル、イギーの席も用意しないとなあ、なんて思いながら。
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