「BEASTさんスタンバイ!」
「ライト、配置考えろ!間違ってんぞ!」
「3番マイク音量どうした!」
今日はライブのゲネプロで、BEASTもろとも会場入りをした。
その情報はどこから漏れたか知らないが、入る際にファンから揉みくちゃにされていたことは言うまでもない。
飛び交うのはスタッフ同士の声。
風見たちに爆薬物などはないか会場内を調べさせ、俺はBEAST全員の護衛につく。
基本は日本語の楽曲たちは、たまに韓国語が挟まり、日本ミュージックとはまた別の、不思議な曲調がいやに心地よい。
あまり音楽を聴く方ではないが、たまにはこういった曲も悪くはない。
今度彼女に勧めてみよう。
「ねえ、ちょっと良い?」
「はい?」
「今から此処に行きたいから、連れてってもらえる?場所解らないから。」
「いや、今ってリハーサル中じゃ…。」
「別に良いよ。あらかた終わってるし、あとは個別の調整くらいだから。」