※25話目番外編
 
「ということで、ババ抜きで負けた人が寝ているナマエちゃんの顔に落書きをしよう!」

「西宮さん、それアカンやつです」

「花の女子部屋に入れてあげてるんだから、新は言うこと聞きなさいよ」

「お使いで頼まれたコンビニのお菓子とジュース届けに入っただけですし……」

「何故俺まデ……」

「そもそもこの旅行にメカ丸来る予定なかったじゃない。ナマエと三輪に強く誘われて嫌々来たみたいだから楽しい思い出作ってあげようと思っただけよ」

「ミョウジの顔に落書きして楽しい思い出になるのカ?」

「ええっと、ミョウジさんってそういうの苦手そうだから罰ゲーム変えません……?」

「霞ちゃん、落書きっていってもカワイイ落書きに限定するから大丈夫だよ。じゃあ、手札配るね」

「ええ……まぁ、勝てばええんですよね」

「そういうことだよ、新田君。メカ丸も勝てばいいんだよ」

「どういう理論ダ……そもそも東堂と加茂は誘わないのカ?」

「誘うわけないでしょ」

「でしょ。それに加茂君がいたらナマエちゃん絡みの罰ゲーム許さないし」

「それもそうだガ……」

「はい。配り終えたから始めるよー」

 ◇

「新田君、また罰ゲームだね……ワザと?」

「いや、待合室でのあれは術師で山手線ゲームとかいう一年生には不利なやつだったからですよ!」

「わかったから。ほら、私のお化粧道具貸してあげる」

「これで何を描くんですか?」

「カワイければなんでもいいよ。というか、落書きよりナマエちゃんの部屋にいて、なおかつナマエちゃんの寝顔見たこと加茂君にバレたら新田君ヤバいね」

「背筋がヒヤッとしました……」

「新、早くしなさいよ。ナマエったら完全に眠ってるし今なら大丈夫よ」

「何も大丈夫ではないですけど!ああ、もう、俺知りませんからね!ナマエさん、すんません!」

「んっ……んぅっ……」

「……起きてます……?」

「眉間にシワ寄せて寝返り打ったね……ナマエちゃん……?」

「……すぅ……」

「寝てはる……」

「ほら、新田君続き続き」

「……出来ました」

「鳥?」

「鴨です。ワンチャン、ナマエさんなら怒らないかなと。はぁ、緊張した……これ、加茂さんには言わんといてくださいね」

「流石に新田君の命を危険に晒すことはしないって」

「そこまで危険なことをしていたつもりはなかったんですけど!」



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