突然の大嵐

     

モビーディック号の甲板でエースとハルタ、そんで俺の三人で遊んでいるとまたしても最近勢いを付けてきた海賊達が襲ってきた。


「今日ってエースの2番隊だっけ?」

「おー、シス。いっちょやってやろうぜ!!」

「(応よ!!)」


エースの声に自分の胸を叩いて答えてからテレポートを使って俺とエースは敵船に移動する。
突然甲板に現れた俺達を見て驚き怯む相手にエースが勝気な笑みを浮かべて火拳を放った。


「火拳のエースだ!!こいつを殺れば俺達も名を挙げられるぞ!!」

「(させるかよ!!)」


俺の目が黒いウチはエースを殺させねえよ!!え?ラルトスの目は赤いじゃんって?………そういうツッコミはいらないっての!とりあえず俺はエースの背中を守るようにねんりきやらサイコキネシスやらマジカルリーフとか色々使って向かってくる相手を倒していく。ちなみにコミカルな星が命中して相手を吹っ飛ばすの見るとちょっと恐怖感じるのは俺だけかな……?なんて海へと落ちていく相手を見ながら思いつつ攻撃の手を緩めない俺だった。


*****


俺とエースの二人だけで片付けると俺はエースに向かって両手を伸ばす。するとエースはひょいッと俺を抱き上げた。エースに抱っこされた俺はやっぱりここが落ち着くなあと思いながらテレポートでモビーに戻るとデュースが仁王立ちで待ってた。
え?あれ?なんでデュースさん怒ってんの…?

思わずお互いの顔を見てしまう俺とエース。


「この突撃馬鹿二人…ちぃっと話そうか。エースはシスを下ろせ」


笑顔なのに背後に般若の面が浮かんでいるのでは?と思いたくなる程の圧をデュースから感じる。
タラリと俺とエースの頬に冷や汗が流れる。

遠巻きに2番隊の面々が二人だけで戦うからッスよー、という声が聞こえるが、今は目の前のオカ……デュースが怖い。どうやって言い逃れようか、なんて二人揃って同じことを考えているといきなり船体が大きく揺れた。


「な、なんだァ!?」

「海王類か!?」


さっきまで穏やかだった海は波を大きくうねらせ、快晴だった空も曇天が蔽い始め、雷鳴が轟き、豪雨が降り始める。いくら何でもありな偉大なる航路-グランドライン-とはいえ、この変わりようは異常だと俺は思った。

それにさっきから海中から大きな存在の気配が伝わってきて、俺の小さな体はガタガタと恐怖で震え始める。エースが気遣うように俺に声を掛けてくるけど、俺はエースにしがみつくしか出来ない。
海中から感じるコレは海王類とは違う存在から巨大なエネルギーだろう。

流石に可笑しいと思ったらしいオヤジも甲板に出てきて、荒れ狂う海を見て眉間に皺を作る。


「こんなこたァ初めてだ……一体何が起きてやがる」


オヤジが唸るように言った瞬間、一際大きな波がモビーを横から襲い、甲板にいたクルー達は衝撃によろめく。


「急いでこの海域から離脱しろ!!このままじゃあ全員海に呑まれちまうぞ!!」


マルコが大声で指示を出すが、クルー達は大きく揺れる足場のせいで思うように動けない。


「マルコ!上から何か来るぞ!!」

「なにっ!?」


見聞色の覇気で周囲を見ていたイゾウが顔に張り付いた髪を払いながら手摺に掴まって言えば分厚い雲を貫くように強力な怪しい力を纏った光線がモビーに向かって降ってきた。


「俺の船をくれてやる気はねぇぞ!」


オヤジが能力を使って上空に向かって拳をぶつけるとそこから衝撃波が発生し、向かってくる光線とぶつかり相殺した。

光線が通った為に雲に出来た穴から夜空が見えた。
可笑しい、さっきまでここは昼間だったはずだ。

昼から夜になるほどこの海域には留まっていない。
それでも雲の隙間から見えるのは星と月が浮かぶ夜空だった。


「(あれ……あそこに何かいる……?)」


蝙蝠のような姿をしているそれはジッとシスとエースの事を見ているように思える。


「シス?空に何かいるのか?」

「(エース、あそこに何か―――)」


俺が上空に向かって手を伸ばした時、一際大きな波が襲ってきて俺達は避けることなんて出来なくて俺はせめてとエースにしがみつくしかなかった。

そして海水が引いた甲板にエースとシスの姿のみが無く、上空にいた獣は3つめの眼を頭部に浮かべると飛び去っていってしまい、海中にいた気怠げな雰囲気の女性的なデザインをした獣は、海流を操ってエースとシスをどこかへと流し、自分も殻に籠って海流に乗った。


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