俺たちのマドンナ(08.28 2時間スペシャル)
「あー、ブーケ持ってくるなんて、ニノ絶対策士だ! しかもブーケトスが男らしいっ!」
「あれ、別にブーケトスじゃないんだけど。」
「キューピッドになって矢を放つ智くんに射られたっ!」
「ふふ。あいのハートはおいらのものー。」
「ちょっ! エアギターの潤くんの可愛さが半端無い!」
「そりゃどうも。」
「いーまでもあいどるーさっの翔くんの右手! 引き寄せられる!」
「おいおい、テンションがおかしくなってきたぞ。」
「サビのくねくね相葉ちゃんの腰! むむむ、可愛エロイ……。」
「あいのコメントが壊れてきたっ!」
金曜日の歌番組の映像を見ながら興奮して話すあい。俺たちの話も聞いているのかどうなのか分からないくらい画面に釘付けだ。
放送の後、色んな人からメールをもらって評判がいいことは知っていたけど、こんな身近に熱狂している人がいるなんて思わなかった。
「あい、朝からずっとこんな感じらしいよ。一番に楽屋入って、マネージャーに映像貰ってから永遠リピート。」
「俺がここに来た時はもうかじりついてたからね。」
「ねぇ、そんなに歌番組の俺らがいいの?」
からかうように言ったニノにあいがにじり寄る。
「分かってないなぁ! この歌番組は永久保存版なんだからっ! 可愛くてかっこよくて時々色気がだだ漏れするみんなが見られるんだよ!!」
すげぇ。あのニノが少し後ずさるくらいの勢いで話し続けてる。それを見ていた他のメンバーも、口をぽかんと開けて圧倒されてしまった。
「でも、この歌番組のさらにすごいところは2番からなんだよ! もうキュンキュンするから。」
そう言って、鼻歌を歌いながらさっきの映像の続きを再生する。操作する指先が踊るようにはねて、うきうきしているのがよく分かる。
「まず、2番の最初! 櫻葉きました! 照れくさいけどって歌いながらカメラ目線の翔くんと、ホントに照れくさそうに目線をそらす相葉ちゃんの対比がたまんないっ!」
「どうしよ、相葉くん……。」
「うん。超はずいね。」
「そして、お墨付きなのね。お墨付き! 智くんと潤くんの腰つきがぁぁ!」
「リーダー、次はもっとセクシーにする?」
「ん。クネクネしよう!」
「で、きたー! にのあいのラブ&ピース! いや、これ初めて見た時、ぼくたち結婚しました宣言かと思ったよ!」
「え、相葉さんと結婚なんていやだ。」
「その場合はどっちが新婦なんだろう?」
「いや、相葉くん、そこ問題じゃないから。」
「この二人に嫉妬するかのように後ろからぴょこぴょこ出てくる智くんも可愛い!」
「ニノは俺のもんだ!って? 笑」
「待って、結婚しないでーってね。笑」
「いや、俺と相葉さん結婚しないから!」
「で、翔くんが踊り間違えるとこね。」
「サーセン!」
「この参っちゃった〜ってポーズがツボなのよ!」
「お前だって間違ってたじゃねぇか。笑」
「ごめんね。だから翔くんと一緒に降参ポーズしときました。笑」
「そしてラストの風トリオ! ニコちゃんマーク描くとかずるすぎる!」
「相葉さん、顔うつってないけどね。笑」
「言うなよ! 次は顔ぐるってカメラの方向けてやる!」
「締めは山夫婦! これこそがとるぅーらーぶーって!! ここにも結婚式をあげた二人がっっ!! ハート描くとかラブラブですねっ!」
「智くん、俺たち結婚したの?」
「みたいだね。ふふ。」
「最後の潤くんが二人の結婚をお祝いしているようなカメラーワークで、結婚式の感じがリアルになるんだよ!」
「別に俺、祝ってねぇし。笑」
「と、まぁ悶えるポイントがたくさんあるんだよ。みんな、ごちそうさまでしたっ!」
そう言って頭をぺこりと下げるあい。何か違う方向に行ってる気がしなくもないけれど、これだけ喜んでくれると悪い気はしない。例えそれが斜め上を向いているとしても。
「でも、翔ちゃんとリーダー、ニノと俺が結婚しちゃったら、松潤だけ一人になっちゃうね。」
「あい、残り物同士でくっつくか?」
「そうだね……。じゃあ、そうし」「「「「ダメー!!」」」」
抜け駆けしようとした松潤に、抜群の反応を見せた俺たち。その勢いに驚いてかたまったあい。
「みんな潤くんのこと好きなんだねぇ……。これは三角関係勃発か?」
またもやおかしな解釈をし始めたあいを見ながら、翔ちゃんとニノがこそこそ話始める。
「あの人、ネットの評判とか知らないんでしょうねぇ。」
「あー、あれだろ? 『あいは嵐の誰と結婚式をあげるのか!?』ってヤツ。」
「俺たち5人それぞれとのツーショットの場面が、どんだけ話題になってるのか。」
「俺らのマドンナには、もう少し隣に立つ人を決めずにいてもらいますか。」
「アイツの隣には俺たち5人ってことで。」
そう言った二人の瞳はとても優しくて、つられて俺もあいへ目線をやる。
「私もニノに負けないくらい、嵐で一番嵐ファンなんだからね!」
満面の笑みを浮かべてそう言い放つ君に、俺たちの鼓動は少し速度を速めた。
《《《《《俺たちだって君から目を離せない。》》》》》
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