次の日、楽屋へ行くと目に飛び込んできたのは5人並んで俯いてソファーに座る後ろ姿。

「え? なになに? 何かあったの?」

『やっと来たな。大野。お前も座れ。』
 いつになく低い声の元さんに言われ、ソファーの右端に座る。

『これ、見てみろ。』
 差し出されたスマホの画面に示されていた文字に目が丸くなる。


   アラシアン@abcd
   ただいま、23時半を回ったところ。
   これだけ伝えたい。
   全力でじゃんけんする嵐を見かけたw

   アラシアン2@efgh
   詳しく<じゃんけん嵐

   アラシアン@abcd
   深夜の路上でじゃんけん大会。
   何故か負けたがってるみんなw

   アラシアン2@efgh
   さらに詳しく<負けたがる嵐

   アラシアン@abcd
   ニノが勝って喜んでる。
   「あいの隣〜♪」ってw
   あいちゃんの隣に座る人決めてたっぽい。

   アラシアン2@efgh
   負け組の様子は?

   アラシアン@abcd
   肩落として遠い目w
   よっぽど悔しかったと見えるww

   アラシアン2@efgh
   キュンキュンだな。

   アラシアン@abcd
   キュンキュンしながら帰る。

   アラシアン2@efgh
   気をつけてー。おやすみー。


「これって昨日の……。」

『そうだ! 全くお前達は!! 30過ぎたおっさんが深夜に笑われるくらい本気でじゃんけんするなよ!!』

 元さんの大声に肩を竦めながらも相葉ちゃんが反論する。

「だって、あいの隣決めるんだよ? 気合い入るじゃない。」
「ね?」
「ね?」
「ね?」
「ね?」

『ね? じゃない!! しかもこれだけじゃないぞ。』

 元さんはスマホを操作すると違う画面を映し出した。


   愛を叫んでる@ijkl
   ラーメン屋にて嵐発見!
   ニノとあいちゃんだけカウンターで後はテーブル席。

   愛を叫んでる@ijkl
   でも、順番にメンバーが邪魔して二人になれないw
   ニノの機嫌急降下。

   愛を叫んでる@ijkl
   その様子を見ている店員さん、笑いを隠せず涙目。
   お。嵐のテーブル席の隣あいた!

   愛を叫んでる@ijkl
   店員さんの動き、俊敏すぎwwwww
   一瞬で片付けてあっという間に8人掛けの出来上がり。

   愛を叫んでる@ijkl
   さっそくあいを呼ぶ相葉ちゃん。
   ルンルンで移動するあいちゃんw
   疲れ果てたニノw
   してやったりの翔さんw
   不適に笑う松潤w
   ニノを慰めるおーちゃんw

   愛をさけんでる@ijkl
   お、俊敏な店員さんと目が合った!!!!
   とりあえずニヤリと笑ってみた。
   ニヤリが返ってきたww

   愛を叫んでる@ijkl
   いやー、いいもの見た。
   ラーメン共々、嵐さん、ご馳走様wwww


 今度こそ動けなくなる俺たちの耳に、元さんの大きな声が響く。

『いつも言ってるだろ? あいの取り合いをするなと!!』

「だって可愛いんだもん。」
「元さんだってそうでしょ?」

『それとこれとは話が違う。俺は公の場所での立ち振る舞いのことを言ってるんだ。』

「それを言われると……。ホントに。」

すみませんでした。

『次から気を付けろよ。おい、あい、お前がこいつらを止めろ!』

「えっ! できるかなぁ。」

『むしろお前しかできん!』

「……頑張ってみる。」

 俯いたまま小さく拳を握るあいを見ると、みんなの目線もそこに集まっていて。
 最初に吹き出したのが誰か分からないけれど、必死で声を堪えていると上から大きなため息が降ってくる。

『とにかく、外では気を付けろ。イメージってもんがあるからな。』

 そう言って元さんはコメント撮りがあるあいを連れて楽屋を出て行った。


「まさかファンの子に見られているとはね。」
「でも、声もかけられなかったし、詳しい場所とかも言わないでいてくれたんだね。」
「そういう心遣い嬉しいよね。」

 みんなでありがたさをしみじみと噛みしめる。

「でも、俺たちがあいを構うのって結構公認になってる?」
「まぁ、色んなところで出ちゃってるからね。笑」
「元さんはイメージって言ってたけど、構い倒すのが通常運転みたいな感じだもんね。笑」
「ふふ。これからも俺たちは俺たちらしく!」

 いつも俺たちに風を送ってくれるファンのみんなを思って笑顔になる。
 そう、これからも俺たちは6人とみんなで歩んでいく。

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