実は俺達は…


こぽり、こぽりと呼吸をする度に小さな気泡が俺達を包む液体の中で揺らぐ

うっすらと目を開けると血を、細胞を分けた“兄弟”が見えた
小さな小さな兄弟達

俺たちは、本当は…















『あー、兄さんだー!わーいわーい!!』


『あ、こら、大人しくしろよ』


おそ松兄さんの一声で電気が消され、さあ寝るぞと目を閉じると、俺はいつの間にか居間にいた

しかし普通の風景ではなく、ぼんやりと白く霞んだような気色


その中でくっきりと見える二人の男が俺に近づいてきた


その男達の顔は俺と瓜二つで、一人は黒のツナギを、もう一人は白いパーカーを身に纏っている

俺の五人の兄弟達とは違う、こいつらは…


「#name1#、に…#name2#ああ、もう週末だったのか」



早く早くと急かすように白いパーカーの男“#name2#”は俺の手を引いてちゃぶ台の前に座らせる

そして横では黒いツナギの男“#name1#”が俺の頭を撫でながら隣に座った


彼らは俺の家族で、兄弟で、人格で

俺にとって無くてはならない大切な存在である


毎週末、俺達はこの夢の中で会うことが習慣化されていた







『ねーえ、今週も甘えていーい?ねー、カラ松にーさん!』


俺の胡座の上に座った唐#name2#が俺の胸に頬擦りしながらしながら聞いてくる
えへへーと笑う姿はとても可愛らしい


『こーら#name2#、あんま我儘言うなよ。カラ松は今週もおそ松達な怪我させられたんだ。夢(こ)の中だけでもゆっくりさせとけよ』


#name2#の頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜながら#name1#が言うと#name2#は頬を風船のように膨らませながら拗ねて、更に俺にしがみ付く
まるで甘えたがりの子供のよう

そんな様子がおかしくて、くすりと笑いながら手を広げる


「#name2#、おいで。俺で良かったら存分に甘えろ。…もちろん、#name1#もな!」


そう言うと#name2#はさっきまでの不機嫌は何処へやら、パッと顔を明るくしてぎゅっと抱きついた


『カラ松、お前甘やかしすぎ』

はあ、とため息を吐きながら#name1#も俺の背中に凭れかかった





現実とはまた違った兄弟…八つ子の長男と末弟と過ごすこの時間


俺にとって大切な世界の話である

- 2 -

*前次#


ページ:



ALICE+