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追記よりどうぞ!






>>2020.01.26
アバッキオ妹夢、ありがとうございます。の方へ

こちらこそコメントありがとうございます!
本当はもうちょっと暗チのみんなにツンケンしてもらおうかと思っていたんですが……トップバッターがホルマジオだったのであんな感じに。彼と兄貴は後輩に優しそうなイメージです。二人とも妹いそうだよなぁ、と。
暗チが一巡したらお兄ちゃんとの話を書こうと思ってます。原作時間に追いつけるのはその後になりそうです。

ミスタ妹についてもありがとうございます!あと1話でひとまず完結の予定です。またお付き合いいただけると嬉しいです。
ではでは、このたびは拍手ありがとうございました〜!

以下お礼の小話です。
アバッキオ妹と兄と兄の友人の話。
夢主視点の一人称、名前変換デフォ名なしです。






 私は兄さんのことを世界で一番格好いい人だと思ってる。

「ほら、これがプレゼントのヘッドホンを見てにやついてるアバッキオで、これが街の不良どもを締め上げてるアバッキオだ」

「おお……!どれもこれも素晴らしい写真です」

 だから『こういうの』に頗る弱い。
 バールのテーブルに広げられる写真。そのいずれにも兄さんが写っていた。私の兄、レオーネ・アバッキオ。その同僚であるらしい彼、ミスタはにやりと笑ってカフェを飲んだ。

「どれも隠し撮りだけどな」

 それは知ってる、と私も笑った。
 兄さんはそう簡単に自分の写真を撮らせない。そういう性格だ。妹に対してもなかなか許さないのに、友人には許可すると言われたら私は泣く。絶対に、間違いなく。

「やるよ。まぁ元からそのつもりで撮ったんだけどな」

「いいんですか!?」

 私は思わず身を乗り出した。昔ならいざ知らず、兄さんが家を出た今となっては家族の写真なんて貴重なものだった。だから嬉しくて一気に相好を崩してしまう。

「いいも何もオレが持ってたって仕方ねぇだろ。いったい何に使うってんだ」

「そりゃあ見て楽しむんじゃないですか?」

「勘弁してくれ」

 ミスタは顔を顰める。「オレにそんな趣味はない」それを聞いて私は奇妙な気持ちになる。
嬉しいような、悲しいような。
 兄に家族以外の特別な誰かがいるのを想像するといつもそうだ。もしも現実になったら私にとってその人はかけがえのない存在になるだろう。それは同志であり、ライバルという名で呼ばれるものだ。

「代わりに今度デートしてくれよ。そうだな、映画でも」

「いいですよ、お安いご用です!」

 片目を瞑ってみせるミスタに私は胸を叩いた。
 彼が冗談好きだというのはこの短い付き合いの中でも容易にわかることだ。だからこれもその類いのことで、つまりは友達と遊ぶのと同義だと私は理解していた。じゃなきゃこんな簡単にオッケーしない。

「おい、勝手に人の妹を口説くんじゃねぇ」

 なのに兄さんは真面目だから本気で受け取る。
 三人分の注文を受け取りに行っていた兄は眉間に皺を寄せていた。その手ではたかれたミスタは頭を押さえている。「ひでぇなぁ」そう言うけど、彼の唇は笑みを隠しきれていなかった。

「あのアバッキオがまさかこんなに過保護だとはなぁ〜」

「他所でやれって言ってるだけだ」

 ミスタに肩を抱かれて兄さんは溜め息を溢す。その憂いがちな眼差しもまた品があって、私は今ここにカメラがないことを悔やんだ。
 兄さんに会えるんならカメラを持ってくるんだった。偶然会えたのは喜ばしいことだけど、でもその代わりに後悔もある。まぁでも世の中っていうのはそういうものだ。何もかも上手くいくなんてことはない。

「なんだよこの写真は」

「上手く撮れてるだろ?」

「最近こそこそしてると思ったらこれか……」

 兄さんはテーブルの上の写真に気づくと一層渋面を作った。そしてそれに手を伸ばそうとするから、私は慌てた。

「まっ、待ってください!どうする気ですか!?まさか捨てるって言うんですか!!」

「そりゃそうだろ、隠し撮りなんだから」

「ダメです渡しません!」

 写真を巡る攻防を、ミスタはニヤニヤと見守っている。
 でも私は必死だ。近頃はなかなか兄さんとも会えないでいたから、なおのこと。少しでも繋がりが欲しくて、たとえ兄さんの頼みだろうとこれだけは譲れなかった。
 そしてその日の帰り道、私は新しく写真立てを買った。これはベッドの脇に並べるつもりだ。そうすれば明日も明後日も頑張れる。そんな気がした。

カテゴリ:返信
2020/02/05 01:21


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