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お題箱
とりとりとりですが、お題箱の返信です。

いま初めて3のサイト見ました。新キャラなら灼くんの顔が好きです。あと狡噛さんの色気ヤバすぎますね……。
見たい気持ちはあるんですけどでもめっちゃ怖いです。これ大丈夫なやつですか?前作の生き残りが死んじゃったりとか……(某ファフナーのトラウマ)それにギノさんに彼女ができたりとかしても私は爆発四散します。

追記からPP✕joの小話です。
新しい夢主を考える時間がなかったのでjo夢主をそのままぶっこみました。でもjoのキャラは出てこないです。


PSYCHO-PASS一期の世界にジョジョ原作沿いの夢主がトリップしたら……っていう話。
夢主はエジプトから帰ってきたあとの設定。
縢くんとダベってるだけ。
夢主一人称視点、デフォ名なし。




 気づいたら見知らぬ街に立っていた。例えるなら……そう、近未来SFものの映画みたいな。そんな世界観の街で、行き着く答えといったらただひとつ。

「なるほど、スタンド攻撃ね!」

 頬をつねることで夢ではないと確認したあとのこと。私はひとり納得し、探索を続けることにした。
 はてさて空間転移か、それともこれ自体が虚構の世界か?スタンド攻撃といってもその性質を知らなければ対処のしようもない。ならば知恵を絞り、体を使って調べていくしかないだろう。
 ……承太郎ならそんなことしなくてもさっさと解き明かしちゃえるんだろうけど。
 でも生憎とここにその頼りがいのある幼馴染みはおらず。安楽椅子探偵を気取れるほどの自信もなく、無為に時間を消費すること幾星霜。
 ……というのは少し大袈裟かもしれないけれど、過ぎ去った月日は指折り数えるには程遠く。

「どうしてこんなことになっちゃったのかしら……」

 嘆息し、仰ぎ見る空は鈍色模様。鮮やかな景色は失われ、人工物で埋め尽くされた世界に違和感を抱いていたのは果たしていつの頃までだったか。今ではもう空中に浮かび上がるデータにも驚かなくなってしまった。人は環境に順応できる生き物だ。

 ──あれから。

 知らない街に放り出された私はさ迷い歩くうち、よく喋る自立歩行のロボットに色相がどうとかこうとかで呼び止められ、連行され……しまいには『潜在犯』なるものに認定されてしまった。まったく失礼な話である。犯してもいない罪で裁かれるなんて納得がいかない。
 でもこの国の戸籍を持たない私は密入国者という扱いで。おまけに潜在犯の烙印まで押されてしまったが、そこで初めて選択肢が与えられた。
 このまま大人しく施設に収監されるか。それとも、この国を守る猟犬──【執行官】に身を落とすか。
 元の世界への帰還を願う私が選ぶのは、当然後者だった。

「なぁに黄昏れちゃってるの」

 そう言って私の隣に立ったのは鮮やかなオレンジの色。やんちゃな笑顔の似合う青年にはしかし、私と同じ首輪がはめられている。彼もまた犯していない罪で裁かれた罪人なのだ。
 だから……だろうか。異郷の地、いずれは他人となるはずの人々。なのに私は彼らのことも仲間だと思うようになっていた。いつの間にか、自然と。
 でも、それはきっと、

 ……よくないこと、なんだろうなぁ。

「黄昏れたくもなりますよ、こっちはもう完全に夕ご飯の体勢に入ってたのに……。うぅっ、秀星くんのご飯が……手作りご飯が……」

「えぇ〜っ、そんなことで?んなもんいつでも作ってやるって」

「そういう問題じゃないの!」

 寂れた街のビル群。今回の【獲物】はどうやらこの中に逃げ込んだらしい。知人と口論になり、犯罪係数が上昇。挙句の果てに逃亡……だなんて。まったく、迷惑な話である。
 私は空腹を訴えるお腹を押さえた。
 ……一応、仕方のないことだとはわかっている。執行官に自由などない。命令が下されたら現場に急行。国民の安全が第一。素晴らしい仕事だとは思う。
 でもその役目を国が──執行官にとっては自分を裁いた法が──個人に強要するなんて。
 あんまりじゃないかしら、と思ってしまう私は彼らに肩入れしすぎているのだろうか。
 溜め息をつくと。

「それならさ、」

 幾らか年下の彼はそう言って、口角を持ち上げる。

「こんなつまんない山、さっさと片付けて、秀星くん特製のスペシャルディナーにご招待……なんてのはどう?」

 彼は遊びの天才だ。どんな状況でも楽しみを見出そうとする。そういうところを好ましく思うと同時に、悲しくもなる。

「それはつまり競争しようってことね?どっちが先に捕まえられるか……」 

「そーいうこと。退屈しのぎには最適っしょ」

 にんまり弧を描く唇は軽薄そのもの。……なのだけど、怒る気にはなれなかった。
 はじまりがどうであれ、今の私が罪人であることに違いはないのだから。
 私は口許を緩めた。

「嫌だわ、あなたといると悪いことばっかり覚えちゃう」

「いいじゃん、一緒に悪いことしようぜ?」

 ビルの谷間に夕陽が沈んでいく。それを背に笑う彼はいかにもって感じの面構え。つまるところ、悪人顔。残酷で無邪気。
 でも、私にとっては大切な仲間である。

「……そうね、」

 たまにはそういうのもいいかも。頷く私の頭には、幼馴染の顔が浮かんでいた。
 思えば私に【悪いこと】を教えてくれたのはいつも彼だった。授業のフケ方、喧嘩の基本、バイクの運転……私はいつだって彼の背中を追うばかりだった。

 ──あの、エジプトへの旅でさえ。

 だからこれは罰なのだ。無力な子供だった私への罰。皆を守りたかったのに、誰一人として私の手では守りきることができなかった。その償いをすべき時が来たのだ。
 ……そう頭ではわかっているのに、私は秀星くんの提案に乗ってしまった。

「ひとりじゃ、つまらないものね」

 ──承太郎、
 あなたのいない百年後の未来で、それでもなお私はあなたの面影を探している。







縢くんのコレクション見て、自分の知ってる世界が漫画の中にしかないこと、自分がいなくても生きていける幼馴染の姿を見て、色々諦めちゃうところも書きたかったけどまたいつか。煙草の匂いにひかれて狡噛さんの部屋に入り浸ったりとか……そういうのも……。

カテゴリ:ネタ
2022/05/13 03:52


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