『月のみぞ知る』


嗚呼今は最早おそいのです
言葉の断片だけが宙を舞ふ
かけちがえたのは温度?
そっと離れたのは貴方
探し求めるあたしには
けふは幻覚だったやうで
貴方と似た顔をした誰かが
気づくとうちにおりました
貴方と同じ名前を名乗る
その方をしばし眺めるも
これは幻覚だからきっと
貴方と同じはずがない

貴方とみた浴衣を着るも
ええ、何も言わないのです

待ってくれる方がいるはず
だけれど知るよしもなく

あたしは茫然と月を眺める
貴方と眺めた黄金の月が
今宵もぽっかり浮かんで
あたしをはっきりと
うつしだしておりました

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