その人は、八百万界の命運を握る最後の希望である。
八百万界に侵攻してきた悪霊共を残滅すべく、神や妖、英雄を結束させて戦う対抗勢力の中枢。数多の英傑を魂産びだす儀式「一血卍傑」を使える唯一の人。
皆から独神と呼ばれる人物、その人が我ら英傑の「主」であった。
主君、主、主様、主人、頭、頭領。
呼称は様々だが、英傑は独神のことを「主」と呼んでいた。
誰が決めたわけでもなく、八傑にならってそう呼ぶ者もいれば、独神を慕い、敬意を込めて「主」と呼ぶ英傑も数多くいる。それゆえ、このオノゴロジマにいる英傑は、独神にたいして深い思慕を募らせていた。
彼らを引き付けて心酔させる独神。その独神の隣に立ち、あるときは盾に、またあるときは敵を蹴散らす剣となって力を振るってきた。
その神の名は、タケミカヅチ。彼もまた、軍神と云われる神の一柱である。
独神は聡明な人であった。
しかも寛大で博識、か弱き者を労わることを忘れない。
疲労が募ったとき、なぜかあの御顔を見たくなるのは人の心を穏やかにさせてくれる不思議な魅力を持っているからだろうか。なにより、この戦いが終わるまでその御身を守っていきたいと強く思わせる人であり、タケミカヅチは独神の側にいることに幸福を感じていた。それは他の英傑にとっても例外ではない。
一番最初に魂産びされたこともあってか、独神はタケミカヅチに対して少々過保護であった。そのせいで他の英傑から「お前は日頃から主に構ってもらってずるい」と愚痴を言われることもしばしばである。
独神もこれだけ多くの英傑が集まると、全員に目を掛ける時間も少なくなるので仕方ないことなのだろう。その中で、一番多く時を共に過ごしているのは、やはりタケミカヅチであった。
この地に舞い降りて、瞼を開けたときのことは今でも覚えている。それは昨日のことのように、はっきりと鮮明に。
魂がなにか強い引力によって引き寄せられた。うまく言えないが、魂産びのときはそのような感覚に近かった。沈んでいたタケミカヅチの魂は荒々しく呼び戻されたのだ。
血と血が混ざりあう渦中で、タケミカヅチの肉体が浮かび上がる。薄らと瞼を開けると、名前を呼ばれたような気がして、ふと顔を上げた。ドクドクと脈打つ鼓動の音と共に聞こえてきたのは、己の名を呼ぶ声。タケミカヅチ、タケミカヅチ。懇願するように何度も繰り返し名前を呼ばれる。
誰だ? 問う前に、タケミカヅチの心はなんらかの強い意志によって突き動かされる。
――――行かなくては。
右手を天高く伸ばした。その瞬間、タケミカヅチはまばゆい光を浴びながら目を覚ます。
そして、目の前にいたのは――――
「タケミカヅチ?」
名を呼ばれた。
タケミカヅチがいま立っている場所は美しい草木のある社だった。遠くから英傑たちの笑い声が響いてきて、ここが八尋殿の入り口だと脳がようやく理解する。
「タケミカヅチ、もう帰っていたか」
「・・・・・・主君」
「出迎えられなくてすまない。少し花廊のほうに行っていてな・・・・・・。おかえりなさい、タケミカヅチ」
澄んだ声音を耳にして、タケミカヅチは奥深くに沈んでいた意識を浮上させた。
声に従って後ろを振り向けば、そこには独神の姿があった。 随分と懐かしい思い出に浸っていたらしい。独神の気配にも気付かなかった。
独神は微笑しながら、静かな足取りでタケミカヅチの元へ近づいてくる。左腕には色とりどりの花が抱えられていて、独神が側に来ると、ふわりと花の香りが鼻孔を擽った。 淡い花の香りに、タケミカヅチの顔に自然と笑みが零れる。
「ああ、つい先ほど帰還した。主君が話していた、村に悪事を働いていた悪霊の討伐は無事遂行した。これでしばらくはあの村に悪霊が近づくことはないだろう」
「そうか、お疲れさま。だが、追い払っただけではなんの解決にもならないな。悪霊共の根源を叩かなければ、またあの村にやってくるだろう。早くなんとかしないと・・・・・・」
顎に手を当てて、神妙そうに呟く独神が顔を上げて話を続ける。
「部隊のみんなは? 怪我をした人はいないか?」
「大丈夫だ 全員、無傷で帰っている」
「そう、よかった。いつも苦労をかけてしまっているから、後で彼らに褒美をあげなくては」
「それはいいな。きっと皆喜んでくれるだろう」
和やかに話していた独神の表情が途端に陰る。タケミカヅチは思った。ついにきた、と。
「ところであなたは? どこか痛いところは? また無茶をして怪我をしたりしていないか?」
「怪我はないが・・・・・・主君、いつも言っているが少し心配しすぎだ。俺は子供ではない。それに、これでも国譲りを為した軍神なのだぞ」
タケミカヅチが任務から帰ったあとの主はいつもこうだった。このやりとりはもはや恒例となっている。独神の心配症故の質問攻めに、タケミカヅチが苦笑いをしながら首を降る。心配してくれるのは有難いが、もっと頼りにしてほしいのが本音だ。
「そうだけれども・・・・・・。けど、私としてはとても心配なんだ」
「主君の気持ちは俺もよくわかっている。だが、その心配を自分のことにも向けてほしい。 主君も無理をして倒れたりしたら大変だ」
「・・・・・・タケミカヅチ」
「俺はそう簡単には死なないさ。八百万界を救えないまま、ましてや主君を置いて死ぬことなんて絶対にありえん」
「あら、ふふふ。そう、そうだな」
独神は柔らかな声で、納得したように相槌打つ。
「臣にそこまで言わせてしまってはな。わかった、私も気を付けよう。ありがとう、タケミカヅチ」
ゆるりと微笑む独神が、自分の腕に土がついていることに気付いて、ああいつの間にと呟きながら右手で汚れを払う。
独神の体は、常に外套のような白い衣にすっぽりと覆い隠されていた。露出しているところは手と顔の下半分、それに衣の隙間から見える艶やかな髪だけ。顔の上半分は白無垢の角隠しを思わせるような衣で隠され、その先は深い闇に飲まれている。だから、あの奥にあるふたつの眼を窺うことは誰にもできない。それは一番近くにいるタケミカヅチでさえ、絶対に触れることができない部分であった。
頭から足元まで続く白い裾を波のように揺らしながら歩く姿はまるで大輪の百合のよう。とても優美だ。なんて、独神を褒めていた英傑がいたが、それを聞いたときタケミカヅチもなるほどと深く頷いた。
ただ、タケミカヅチとしては大輪の百合、というよりその下にひっそりと咲く小さなたんぽぽの方がしっくりきた。花弁の色は黄色ではなく白がいい。なぜたんぽぽなんだと問われれば困る。なんとなく、だ。
話が脱線した。
とにかく、独神の表情は相手に伝わりにくい。おかげで英傑達は皆、唇と僅かに動く頬の筋肉で独神の表情を読み取るようになっていた。
最初は烏天狗、通称カァくんと神代八傑とタケミカヅチにしかわからないことだったが、英傑が増えてきてからはいつの間にか全員がそれを習得していた。
それもそのはず。独神はよくよく見ると結構表情豊かなほうだったので、感情を見分けることはさして難しいことではなかった。最近来たばかりの者でさえ、独神と会話に花を咲かせていて、独神も楽しそうに微笑んで珍しく声を出して笑っていた。
それを目にしたときのタケミカヅチの心は穏やかではなかった。理由はわかっている。くだらない嫉妬だ。それは独神の臣としての、そして別の意味での嫉妬でもあることも。
だからといって、素直に思いの丈を打ち明けるなんてこともできない。それにいまは八百万界を救うことが先決である。
タケミカヅチは自分の想いを一切口にすることなく過ごしてきた。独神は多忙な身。些細なことで悩ませたくないし、独神の顔を曇らせたくないという思いから、タケミカヅチは募る想いに蓋をしてひっそり隠してきた。
・・・・・・もしかしたら独神はもう気付いているのかもしれないが。
「ふう、疲れているところを引き止めてしまって申し訳ない。タケミカヅチ、今日はもうゆっくり休んで。明日は遠征の任務を頼みたい」
「遠征・・・というと、この前軍議で話していた、あの討伐の?」
「そうだよ」
戦と聞いて、さっそく気持ちを高ぶらせたタケミカヅチが柘榴色の瞳をぎらりと輝かせる。相変わらず軍神らしい反応だなあと独神が困ったように微笑した。
「タケミカヅチ、詳しい事明日話すから、今日はもうゆっくりおやすみ」
ね? と、独神は首を傾げると、タケミカヅチとの距離をさらに縮めてきた。独神が纏う芳しい香りがふわりと漂い、タケミカヅチの心の臓を大きく跳ねさせる。独神は花売りの娘が媚を売るような仕草で、タケミカヅチに身を寄せてきた。
―――――次の刹那、
「えい!」
「!?」
タケミカヅチの鼻に、茜色の花が押し付けられた。
「この前に贈った花、もう枯れてしまう頃だと思ってな。はい、新しいものをどうぞ。さきほど当番の者と一緒に摘んできたばかりなんだ。綺麗だろう?」
独神は唇に笑みをのせて無邪気に言った。
タケミカヅチは夢から覚めたような顔で瞬きを繰り返し、悪戯っぽく見つめてくる独神を見下ろした。
「主君・・・・・・」
まんまとしてやられたと軍神らしからぬ声を漏らす。どうやら戦の神も独神には敵わないらしい。タケミカヅチは情けなく眉を下げながら、茜色の花を受け取った。
独神はそんな軍神を見て満足げにくつくつと笑うと、花の中から何かを探しだす。
「あと・・・・・・ん、この花もあげよう」
橙色と緑色の花の間から取り出して渡されたのは、白いたんぽぽだった。独神はタケミカヅチの瞳を覗き込む。
「綺麗だろう。たんぽぽ、私も好きなんだ」
なあ、タケミカヅチ。
どこか含みのある言い方だった。あまりの不意打ちに思考回路が止まった。しかもよりによって黄色ではなく白い花びらの方を差し出してきたのだ。
あ、ああ、ええと。と、二本の花を受け取りながら言葉を探るタケミカヅチに、独神が可笑しそうに肩を小刻みに揺らす。
「はあ・・・・・・あまり俺をからかわないでくれ」
「ふふ、ごめんなさい。はい、たんぽぽもあげましょうね?」
とうとう眉間に皺をつくりだすタケミカヅチだが、独神は素知らぬ顔。そしてその後、何かを考えるような様子ですうっと急に真顔になった。かと思えば、独神は袖からしなやかな腕を伸ばし、タケミカヅチの頬に触れてきた。
温かいと勝手に思っていた独神の指はひんやりと冷たかった。けど、その手つきは母のように優しい。
「主君?」
皮膚をするりと撫でられる。人形を愛でるような擽ったい動きに、タケミカヅチの耳に熱が集中した。せめて視線だけでも逸らして、好き勝手に触れてくる無防備でなめらかな掌の感触にじっと耐え抜く。そんなタケミカヅチの気持ちなど露知らず、独神はついに顎先にまで指を滑らせて、タケミカヅチの相形を胸に焼き付けるようにじっと見つめてくる。タケミカヅチの存在を確認するかのような眼差しを向けたあと、独神はふっと表情を緩めた。
「ありがとう、タケミカヅチ。いつも私を支えてくれて、私を助けてくれて。あなたのような人がいてくれて、私はとても幸せ者だ」
私にはもったいない神様だ。と、なにを思ったのか、唐突に紡がれた言の葉にタケミカヅチは面食らった。 独神は自分の気持ちをきちんと言葉にして相手に伝えるのを得意とする人だが、こうしていきなり告げられると少し驚く。
タケミカヅチは頭を振って、離れていきそうになる独神の手を捕えるように己の手を重ねた。
「主君は八百万界の希望だ。君を失ったらこの世界は闇に飲まれてしまう。俺はそんな君に呼ばれて、八百万界を救うために君の手足となり役にたっていることがとても誇らしいんだ。俺も、他の皆も主君に出会えてよかったと思っている」
「・・・・・・本当? 私はまだみんなの「主」をしていても大丈夫?」
タケミカヅチは不安げに訊きかえしてくる独神に強く頷く。一瞬だけであったが、独神の「主」としての顔がくしゃりと崩れた。
この世界の誰が八百万界を救おうと尽力をつくしているこの人を否定するのか。いいや、させてたまるものか。
けれどもし、独神を否定する者が表れて耳を塞ぎたくなるような言葉を使い、この人を罵ったとき、自分はきっと冷静ではいられなくなるだろう。無駄な血は流したくないと思っているのに、独神が関わるとこうも熱くなってしまう。
「本当に決まっている! 主君がここにいるおかげで、俺たちはどんな敵だろうと恐れることなく剣を振るい果敢に戦うことができるんだ。主君と俺がいれば、どんな奴だろうと負けはしない」
「・・・・・・は、はは、ははは、そうか、そう、か。うん、なら私も皆の為にもっともっと頑張らないとな」
力なく笑う独神だが、その表情は穏やかだ。
「俺も力になれることがあればなんでもする。だから、これからも俺を傍に置いてくれ」
誓いを交わし、独神の手を下から掴んで、桜貝を思わせる爪のついた指先に口づけを落とす。指先と唇が振れたとき、独神が吐息のような声を漏らした。冷たかった指先が急激に熱を帯びだす。薄い皮膚と唇が触れ合って、そこから微かな体温が伝わり、体の中で熱い感情が渦を巻く。離れがたいあまりにしばらくそのままでいると、独神が困ったように弱弱しく「タ、タケミカヅチ・・・・・・」と呟いた。
その声を聞いた途端、タケミカヅチは、はっとようやく我に返った。
無意識とはいえなんてことを・・・・・・! タケミカヅチは弾かれたように顔を上げて、独神の手を離す。
「すまない、主君。無礼を・・・・・・」 と、そこで言いかけたとき、またもやタケミカヅチの行動が止まる。
独神が初心な娘のように頬を赤く染めて恥じらっていたからだ。しかも、顔を背けて唇をきゅっときつく結んでいる。湧き出てくる感情を抑えるように、口付けをされた方の手を胸に置いて必死に表情を隠そうとしている。だが、横から見える頬は正直で乳白色の肌を塾れた果実のように染めていく。
これにはタケミカヅチもつられて頬を朱に染めた。独神の見たことのないいじらしい反応に、激しく心が揺さぶられる。もしここが人目に付く場所でなかったら、いまごろ独神を抱きしめて唇を奪っていたことだろう。
ふたりの間に甘やかな薄桃色の空気が漂う。
「い、いきなりそういうことをするなんて・・・・・・恥ずかしい・・・・・・」
独神が顔を斜め下に俯かせ、左腕の中にある花の茎を弄りながら、ぽつりと呟く。ちらりと独神の視線がこちらに向けられたような気がして、タケミカヅチの肩が強張る。
だがそうはいっても、独神にとっては指先に口づけなど愛情表現が過剰な者と比べたらたいしたことないはず。英傑のなかにはもっと大胆なことをする奴も多くいるのだ。たとえば廊下を歩く独神に背後から抱きついたり、さらには頬に唇を寄せたり。指先に口づけくらいなんてことない・・・・・・、いやそれも十分恥ずかしいことだった。調子に乗って何をしているのだ。
「す、すまない・・・・・・その、君もそういう可愛らしい反応をするのだな」
「は、あ、え・・・・・・? い、いえ、その・・・・・・ああ、もう・・・・・・!」
これ以上の恥は耐えられないといった様子の独神がうう、と唸るともじもじと自分の足元を見ながら「別に・・・・・・可愛くは、ない、と・・・・・・思う・・・・・・」と尻すぼみに答える。
普段は決して見せることのないその仕草に胸を打ち抜かれたタケミカヅチは、欲望のまま独神をどうにかしたい邪まな気持ちを必死に抑えた。これ以上なにかされると、ぎりぎりのところで保っている理性の箍が外れそうで怖い。
そのまま沈黙が落ちる。小鳥の囀りが妙に大きく聞こえた。そのままいつまでも甘やかな空気が二人を包む・・・・・・とはいかず、突如二人を引き裂くように本殿の方から人影が飛び出してきた。
人影がやって来る前に、いち早くタケミカヅチがそちらに目をやると、独神もその気配を察したらしく咳払いをして平静を装う。あんなに赤くなっていた頬も、もうすっかり色を落としていた。こういうときでも切り替えの早いところは実に「主君」らしい。
飛び出てきた影、英傑は独神の姿を捉えると破顔して「主!」と声を上げた。後からタケミカヅチもいることにも気付いたのか、英傑は少し迷ったような視線を向けたあと、思い切ったように口を開く。
「ちょっといいかな? 急ぎの用があるんだ」
独神がいつもの声で、顔を振り向かせる。
「わかりました。今行きます」
英傑は頷くと、慌ただしく踵を返していった。
嵐のように立ち去っていった英傑と同じように、二人の間に流れていた淡い薄桃色の空気も遠い彼方へ吹き飛んでいってしまった。
理性が崩れるまえに誰かが来てくれたことに安堵する自分と、もう少しだけ二人きりでいたかったという残念な気持ちがせめぎ合う。だが、とりあえずいまはこれでよかったのだ。タケミカヅチは自分にそう言い聞かせて静かに溜息をついた。
「それでは、私もこれで」
独神は左腕の中にある花を抱えなおすと、タケミカヅチが茜色の花とたんぽぽをきちんと受け取っていることを確認する。そして最後に軽く会釈をして、来た時と同じように静かに立ち去った。
背筋を伸ばして歩く姿は、やはりいつもの「主君」であった。若い少女のように照れてまごついていた姿とは程遠い、凛としたその背中はまさしく白百合の花。
心地よい風が吹いて、独神の裾をふわりとなびかせる。 白い背中が小さくなっていき、とうとう本殿の曲がり角に差し掛かると、風の中を泳ぐ花びらのようにあっという間に姿を消した。
振り向いたりしてくれないだろうかと少し期待していたのだが、淡い期待は見事に打ち砕かれて終わった。ひとり本殿の前に残されたタケミカヅチは、手の中にあるたんぽぽと茜色の花に視線を落とす。
そうして、ふたりはまた主と臣の関係に戻った。けれど、英傑がやって来たときの反応を見た限り、独神のあの表情を知っている者は恐らくまだ自分だけだろう。臆見だが、そう考えると頬の筋肉が緩まるのを我慢できなくなり、慌てて顔を引き締める。
タケミカヅチは軍神の一柱でいられるうちに早々とその場を後にしたのだった。
二本の花は心地よさそうに花弁を風に揺らしている。
白百合の下に咲いたたんぽぽを愛でるのは一人だけでいい。
軍神の手の中で、茜色の花が白いたんぽぽの花弁にそっと口づけを落とした。