司書は可愛くない。
いやこれでは語弊があるので、愛想がないと言いなおす。もちろん、司書の顔立ちは悪くない。ただ、ああもぶすりとした表情ばかり張り付かされてはこちらも辟易するというもの。人のことを言えた義理ではないが、女性なのだから、少しは笑えばいいのにとは思う。女は愛嬌とはよく言ったものだが、この考えはもう今世では伝わらないのだろうか。

 ある日、猫に微笑みかける司書を見た。無色の瞳に柔らかな色が広がるのを見て、なんだ。と零す。

気付いた司書は驚いて逃げた。慌てて逃げる司書の後ろ姿は生前、庭先に迷い込んできた野良猫の逃げる背中にそっくりであった。秋声はつい足元にいる猫に向かって「どこの子かな」と語りかける。しかし猫は知らんとそっけなく答えるばかり。猫は口の周りを舐めながら満足そうに顔を洗っていた。

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pawooにて。