生まれ変わってもマスターのそばにいたいなあ、とは思っていたし願っていたけれども。神様これはずいぶんとひどいんじゃないかな。
「ふふふ、おいで。シャスポー」
ソファに座っていたマスターに手招きをされていそいそとそちらに向かう。頭を撫でられるのが気持ち良くてソファの上に顎を乗せる。
黒曜石の瞳を細め、ふわりと微笑むマスターは相変わらずどこからどう見ても僕の可愛い人だった。
僕が望んだとおり、いまでもこうしてマスターの隣にいる。ふたりきりの生活は充分すぎるほど幸せだった。
……そう、僕が犬として生まれ変わらなければ。
でもまあとりあえず、僕は彼女に近づく男は皆噛みついていくスタイルで生きていくと決めた。そしていつか人間になってやる。