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都内のレコードショップにいる女子大生と、その隣で悶絶している友人。

「ユリちゃんユリちゃん!やっぱ買うべきだよね!?
たとえ今月の貯金が残り少ないとしても、バイト代がまだ先だとしても!ていうかもうこれ言ってる時点で買う気がどんどんあふれてくるよ!止まらないよどうしよう!?」
「落ち着いて」
「何々買った方がいいって!?もうユリちゃんたら私を押してくれるのかい!」
「言ってないよ」
「じゃ今からレジ行ってくる!あ、あとコレ持ってて!」

友人である彼女は相変わらずのマシンガントークをぶっ放し、ついでにと自分が持っていた持ち物を預け、ものの数秒でお買い上げに向かった。
その後ろ姿を見て小さく溜息をつき、再び売り場のCDを見ようとしゃがみこむ。
ふと左側へ目を向けると何時の間にか自身の隣に男の人が立っていた。
少し避けた方がいいのかと思い、身体を右へ動かそうとしたがその反動で膝に寄りかけていた友人の私物がその男性の方へ倒れてしまった。

「あ…」

袋から出てきたのは一冊の雑誌だった。音楽系の雑誌なところが如何にもだ。

「す、すみません」

雑誌が男性の靴に覆いかぶさってしまった。
謝罪を述べて顔を伺う。

「いえ、大丈夫ですから」

マスクをつけて表情は伺いづらいが、目元が優しく笑っているのは見えた。
そう見て思った。何か違和感があると。

「……」
「あの…?」

しゃがみ込んでいる女子大生が男の人の顔を見上げる。
なんとも不思議な光景だった。
そして彼女の違和感は解消された、雑誌の表紙を見て。

「……ほん、にん…?」

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