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「あたしは、ひとりぼっちなの」

「ぼくがいるよ」

「いない」

「ここにいるよ」

「いない…あなた、だれ?」

「いるよ…ぼくだよ」





また、変な夢だ。


『んぅ〜、はぁっ!今日は泉ちゃん学校来るかな…』


夢を見た記憶はあるけれど、すぐに内容を忘れてしまう。それが普通だけど、不思議なつっかえがある。スッキリしない。


『あ、メール…泉ちゃんかな?』


《○○、おはよう。今日は部活休みだから一緒に帰ろう。返事待ってる。 太一》


『………んぁー!!!』


携帯を握りしめて、ベッドでじたばたと嬉しさに暴れる。あー、〈彼氏〉からの、初メール。こんなに嬉しいものなんだ。


『お昼休みには返事しよう。すぐに返事はしちゃダメって、聞くし…あーでもでも!今すぐ返事しーたーいー!!!』


そんな葛藤をしていると、お母さんにうるさいと怒られた。しぶしぶ身支度をしてご飯を食べ、家を出た。









「○○ちゃん!」


『あ、大輔くんおはよー』


通学路で会った大輔に声をかけられ振り向くと、大輔くんはまじまじと私の顔を見てきた。


「…すっげー、ニコニコしてるね」


『そう?』


「………うん」


あ、そうか、朝のメールの余韻が―


『あのね…言ったよ、太一さんに』


「そっか、…良かった」


『えへへ、ありがとう』


「そのことは他の誰かに言った?」


『ううん、まだ大輔くんだけ。泉ちゃんにも報告するつもり』


「なら、他にはあまり言わない方がいいかも」


『え…どうして?』


「ほら、太一さんって意外とモテるじゃん?」


『意外と、ってー』


「あーいやいや、結構太一さんモテるから!噂が広まって他の女子からの痛い視線浴びるの嫌だろ○○ちゃん!」


『まあ…確かに』


「じゃあ、そういうことで!!!俺らだけの秘密、ってことで!!!」


『大輔くん、太一さんのこと好きすぎ…』


そんなことをボソッと呟いたら、大輔くんは苦笑いした。


∞2016/06/12
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