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夢を見た。

私は何処かの2階にいて、下を見ると八神君が友達と喋っていたの―私は凄く声を掛けたかった…でも、話さないって決めたから無理だった


ずっと八神君がこちらに気付いてくれるのを待った。でも、やっぱりダメだったから、仕方なく1階に降りてみた。

そしたら、すぐ隣まで来たのに、八神君は私に気づかないまま、横を歩いていった。


涙が出そうになるのを必死に我慢して―目覚めた


ボーっと天井を眺めて、夢を思い出して、会いたい気持ちが溢れて…悲しくなる


『学校…行かなくちゃ』


憂鬱な気持ちを引きずりながら、制服に手を伸ばす






「おはよー」


席に着くと、思わずグラウンドで朝練をするサッカー部に目がいってしまう。そして、自然と八神君を探して―目で追ってしまう。


もう、話せない


話したら余計に目を付けられて、学校に居づらくなる





「おらー席に着けー」


チャイムが鳴り、皆が席に着く―少し遅れて、八神君が息を切らして教室に入ってくる


「八神ー朝練じゃなかったら遅刻だぞ」


「すいませーん!」


ガタガタと急いで席に着く


「おはよー◇◇、今日なんか暑くね?」


いかなり声を掛けられて、自分でも分かるぐらいにビックリした―仕方なく笑顔だけ向けて、うつむく


「大丈夫か?」


心配そうに見てくれる八神君のほかに、突き刺さる視線を感じる




これで、良かったよね?



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