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武ノ内さんの優しさをまともに受け取れず
石田君は何か分かっていたような顔をしていて
八神君の顔は見ないようにした

体育館から出る時にクラスの女の子の視線を感じた。どこにいくの?まあ役立たずだからいっか、って


体育館から保健室の廊下には誰もいなくて心が落ち着いた


『失礼します』


「あら、◇◇さん。こんにちは」


クラスで嫌なことがあると、いつもこの保健室に来て泣く。最初は心配して話しかけてくれた先生に理由を言えなかったけど、何回も何回も来るうちに、自然と自分のことを話していた。


「この時間は2年生クラスマッチだっけ」


『はい…あの、休んでいいですか?』


「―うん、どうぞ」


先生は何も言わないでも分かってくれるから安心する。


「確か隣のベッドには1年生の男の子がいたわね、たぶんサボりよ」


他の話題を持ちかけて、私の気が紛れるように気遣ってくれる。優しい人。


『…私みたい』


「ふふ、サボれるのは学生のうちだけなんだから!ある程度はサボっていいのよ。あ、これ私が言ったってことは内緒ね」


『はい』


学校内で唯一安心できる大事な場所。クラスが離れた友達とはなかなか会えないから、どんどん苦しくなっていく。クラスマッチでも試合が交互にあったから、挨拶だけで、まともに喋れなかった。




―みんな、私ね、八神君のこともう好きじゃないの



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