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「○○遅い」


『留姫ごめん!クラスでちょっと盛り上がっちゃって―』


「あー、○○ちゃん大活躍だったもんね!」


『え、あ、いや…そんな―』


濃い、1日だった。

午前はミスばっかりして、心が折れて、泣いて、なぐさめられて。午後はようやくクラスに貢献することができて、認められて、嬉しくて。

八神くんに誉められて嬉しかった。


「ま、頑張ったから許してあげる」


「留姫やっさしー!」


「泉うるさい」


留姫たちに、八神くんのことは諦めるって言おうと思っていたけど、やっぱりまだ迷ってしまう。あの優しい笑顔をもっと見たいと思ってしまう。


『ありがとう』


「ふん、さっさと行くわよ」





「ごちそうさまでーす」


「くっそ〜!!!」


「ゴメンね太一、あたしまでおごってもらって」


「良いんだよ、俺が勝ったんだから」


「何だよそれ!うわあああ!くやしいいい!!!」


「まあまあ、もっと食おうかな〜」


「俺はお前たち カップル、の!財布じゃねーんだからな」


「もうヤマト、太一からかうのやめなさいよ。それにしても、○○ちゃんの活躍凄かったわね」


「だよなー。たまたま◇◇のボールが決勝点だろ?」


「たまたまじゃねーよ。◇◇が頑張ったから決勝点になったんだよ」


「…ま、そうだな。あっ、今日タケルと会う約束してたんだ、俺先行くな」


「うん、分かった。あたしは太一にご飯おごってもらうわ」


「なっ!」


「はは、分かった、じゃあまた明日な」


「うん、また明日ね」


「タケルによろしくなー」


「おう」





「…………」


「あ、これ美味しい」


「………何か、空と2人になるの久しぶりだな」


「ん、そうかしら?」


「うん…、」


「長い付き合いだけど、もう高校生だしね。」


「そろそろヤマトと付き合ってから、3年…くらいか?」


「そうね、よく考えてみれば早いなー」


「…………空、あのさー」


「…太一?」



∞14/10/13
ALICE+