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「何よ、これは…!」


クラスマッチから2日後の朝。いつものように留姫たちと登校して、ふと掲示板に目が止まった。


「キャー!○○ちゃんのベストショット!!!」


掲示板にあったのは、先日の2年生クラスマッチを題材にした校内新聞で、MVPを取った時に撮られた ー ヤマト君との写真が、これまた、デカデカと…載っていた。


「やっぱりMVPは違うわねー」


『ちょっと…これは、恥ずかしい…』


〈大活躍したMVP!石田ヤマト&◇◇○○!〉と書かれ、寄り添った写真も目立つ…こんなことなら逃げればよかった。今更ながら後悔。

何て言うか…武之内さんにも、申し訳ない。同学年ならヤマト君とのことを知っているからまだしも、他の学年からはカップル…とか、思われたら困る。





「おっ、◇◇ー校内新聞見たぞ〜」


「俺も俺も!お前たちお似合いじゃね?付き合っちゃえば?」


『あはは、誰とも付き合わないよ…』


からかわれるのは、もう慣れたから。適当に苦笑いすればやり過ごせる。それに、クラスマッチの日に少しだけ…クラスのみんなに認められたこともある。悪意が込められてないから、気にならない。


「おいおい、石田は…あれ、名前何だっけ?中学の頃からテニス部の子と付き合ってるらしいぜ?」


「マジで?昨日 太一と、たぶんその彼女さんかな?一緒に帰ってるの見たぜ」


『っ、』


「あー、そういえばクラスマッチがあった日も放課後に2人がファミレスにいるの見かけた」


「うわ、まさかその彼女さんって、石田と太一に二股とか?ヤベェ〜」



聞きたく、なかった。

武之内さんはそんな…二股とか、する人じゃないのは分かる。本当に素敵な人だから ― でも、だからこそ、八神君と2人でいたことが気になる。何をしていたの?何を話していたの?

楽しかった?嬉しかった?

大好きな人が目の前で笑っていたんでしょう?
八神君…どう、思った?


∞14/10/17

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