25


「○○はどっちが良いの?」


『うーん…みんなと行ければどこでも楽しいよ』


「まあ、そうよねー」


「あっ!ルキ!!!と、◇◇さんだー久しぶりー!!!」


「タカトじゃん」


『久しぶりだね』


「へへ、って、もぉルキー先生が配布物多いから昼休みに取り来いって言ってたじゃん!」


「あー………忘れてた」


「忘れてた、じゃないよー。ジェンが手伝ってくれたから良かったけどさ」


「あーもー、手伝えば良いんでしょ、手伝えばー」


『わたしも手伝おうか…?』


「◇◇さんも て、手伝ってくれるの?」


「なにデレデレしてんのよ」


「で、デレデレしてないよ!久しぶりに会えたから嬉しいだけ!」


タカトくん、ジェンくんとは1年生のとき同じクラスだった。留姫に紹介されて仲良くなった、数少ない友達。


「じゃあ、ジェンの少し持ってくれる?」


「え、僕なら大丈夫だよ。◇◇さん女の子だし」


「ジェン、あたしも女の子なんだけど」


「あ、そそそーですよねー」


『じゃ、じゃあ…この、束だけでも』


「うん、じゃあお願いするね」


『はーい』


ジェンくんが持つ配布物を一束受け取る。


みんなで廊下をとぼとぼ歩いてると、タカトくんが数メートル歩くごとに紙を1枚、2枚と落とすものだから、留姫はキレぎみでタカトくんから紙の束を奪い上げる。

何だかんだこの2人って良いかんじ…付き合わないかなー。


『ふふっ』


「…あの2人、どう思う?」


『留姫と、タカトくん?』


「うん。小学校から知り合いなんだけどさ、そろそろ付き合っても良いと思うんだよね」


『私も!私も今あの2人付き合わないかなーって思ってた!』


「あは、僕たち同じこと考えていたんだ」


『そうだね。うん…付き合ったら、素敵だと思う』


2人とも友達思いでとても優しい。

タカトくんはちょっと頼りないところがあるけど、何事にも一生懸命に頑張る人。
留姫は気が強くて負けず嫌いだけど、周りをちゃんと見てて不器用だけどとても優しい。

今だって、頼りないタカトくんを留姫は気づかって助けてあげているし、タカトくんも照れながらお礼を言って…あ、留姫も照れてる。可愛いな。


「やっぱりタカトから告白するべきだよね」


『うん、そしたら留姫も自分の気持ちに正直になれると思う』


「あとでタカトに助言しなきゃな」


『頑張って、ジェンくん』


「うん」




「あ、○○…これ見て」


『ん、どうしたの?』


タカトくんから受け取った紙を留姫が見せてくれた


『森と、星空の勉強合宿?』


「何か、タダらしい。タダ。」


内容をよく見てみると、夏休みの期間に緑に囲まれた森の中で合宿があるらしい。
午前はそれぞれの学年にあった勉強、午後は自由行動、夜はガイドさんによる星空鑑賞。
しかも、学校からお金が出るらしく、合宿に関する費用は全てタダ。


『これは…』


「ミミたちに知らせよっか、タダだから候補ね」


「へぇー、こんなのあるんだ。タカト、僕たちも行こうよ」


「え?!」


ジェンくんも興味持ったんだ…とジェンくんを見ていたら、ん、何かこっちを見て…留姫を見て―あ、そういう、ことね。

私も八神くんの話聞いてもらったりしてるし、この2人のためなら…ぜひとも、協力したい!


『行けたら…みんなで行こう、か』


「そうそう、みんなで行ったら楽しそうだし」


「まあ…○○が行きたいなら」


「うん…ジェンが行きたいなら」


∞15/02/21

ALICE+