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「○○はどっちが良いの?」
『うーん…みんなと行ければどこでも楽しいよ』
「まあ、そうよねー」
「あっ!ルキ!!!と、◇◇さんだー久しぶりー!!!」
「タカトじゃん」
『久しぶりだね』
「へへ、って、もぉルキー先生が配布物多いから昼休みに取り来いって言ってたじゃん!」
「あー………忘れてた」
「忘れてた、じゃないよー。ジェンが手伝ってくれたから良かったけどさ」
「あーもー、手伝えば良いんでしょ、手伝えばー」
『わたしも手伝おうか…?』
「◇◇さんも て、手伝ってくれるの?」
「なにデレデレしてんのよ」
「で、デレデレしてないよ!久しぶりに会えたから嬉しいだけ!」
タカトくん、ジェンくんとは1年生のとき同じクラスだった。留姫に紹介されて仲良くなった、数少ない友達。
「じゃあ、ジェンの少し持ってくれる?」
「え、僕なら大丈夫だよ。◇◇さん女の子だし」
「ジェン、あたしも女の子なんだけど」
「あ、そそそーですよねー」
『じゃ、じゃあ…この、束だけでも』
「うん、じゃあお願いするね」
『はーい』
ジェンくんが持つ配布物を一束受け取る。
みんなで廊下をとぼとぼ歩いてると、タカトくんが数メートル歩くごとに紙を1枚、2枚と落とすものだから、留姫はキレぎみでタカトくんから紙の束を奪い上げる。
何だかんだこの2人って良いかんじ…付き合わないかなー。
『ふふっ』
「…あの2人、どう思う?」
『留姫と、タカトくん?』
「うん。小学校から知り合いなんだけどさ、そろそろ付き合っても良いと思うんだよね」
『私も!私も今あの2人付き合わないかなーって思ってた!』
「あは、僕たち同じこと考えていたんだ」
『そうだね。うん…付き合ったら、素敵だと思う』
2人とも友達思いでとても優しい。
タカトくんはちょっと頼りないところがあるけど、何事にも一生懸命に頑張る人。
留姫は気が強くて負けず嫌いだけど、周りをちゃんと見てて不器用だけどとても優しい。
今だって、頼りないタカトくんを留姫は気づかって助けてあげているし、タカトくんも照れながらお礼を言って…あ、留姫も照れてる。可愛いな。
「やっぱりタカトから告白するべきだよね」
『うん、そしたら留姫も自分の気持ちに正直になれると思う』
「あとでタカトに助言しなきゃな」
『頑張って、ジェンくん』
「うん」
「あ、○○…これ見て」
『ん、どうしたの?』
タカトくんから受け取った紙を留姫が見せてくれた
『森と、星空の勉強合宿?』
「何か、タダらしい。タダ。」
内容をよく見てみると、夏休みの期間に緑に囲まれた森の中で合宿があるらしい。
午前はそれぞれの学年にあった勉強、午後は自由行動、夜はガイドさんによる星空鑑賞。
しかも、学校からお金が出るらしく、合宿に関する費用は全てタダ。
『これは…』
「ミミたちに知らせよっか、タダだから候補ね」
「へぇー、こんなのあるんだ。タカト、僕たちも行こうよ」
「え?!」
ジェンくんも興味持ったんだ…とジェンくんを見ていたら、ん、何かこっちを見て…留姫を見て―あ、そういう、ことね。
私も八神くんの話聞いてもらったりしてるし、この2人のためなら…ぜひとも、協力したい!
『行けたら…みんなで行こう、か』
「そうそう、みんなで行ったら楽しそうだし」
「まあ…○○が行きたいなら」
「うん…ジェンが行きたいなら」
∞15/02/21
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