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「ん〜〜〜!!!山サイコー!!!」
夏休みの合宿1日目、バスに乗って山のコテージが集まる広場まで来た。
緑に囲まれた中に木で造られた大きな建物。澄んだ空気。近くの川の音。
「素敵なところね」
『そうだね』
「おまえらー荷物持ったら、あのコテージのなかに入れ、部屋割り発表するぞー!」
引率の先生に言われてみんなが重い荷物をかかえてコテージに入っていく。
「―よし、全員いるな。このコテージは一般のお客もいるから、はしゃいで迷惑かけないように。まず、お前らがお世話になるこのコテージのスタッフさんだ。えっと…こっちから、大門さん、ノルシュタインさん、藤枝さんだ。何か一言どうぞ!」
「え、一言?!えーっと…えーあー………け、ケンカはグー!!!」
「こいつケンカバカなんで無視してください、よろしくお願いします。」
「な、なんか気になることがあったら遠慮なく聞いてくださいね!!!…ったく、こいつら相変わらず最悪なんですけど」
「何か…個性的なスタッフさんね」
「あの真ん中の人、ミミのタイプ!!!」
「はいはい」
「じゃ、部屋割りな。3人1組で部屋を使うことになる、発表するぞー」
八神くんと石田くん、タカトくんとジェンくんはちゃんと仲良いメンバーで同じ部屋になれたみたい。肝心の私たちは泉ちゃんとミミちゃんが一緒。そして、私と留姫と…武之内さんが一緒。
なんか…気まずい。
「○○ちゃん、一緒の部屋よろしくね」
『武之内さん…よろしく』
「もう、名前の空でいいよ」
『あ、うん…な、なれたら…呼ぶね』
上手く笑えているだろうか。少し困っていると、外から元気な声が聞こえてきた。
「うぉ、すっげー!ひろーい!ひゃっほー!」
「こら、タギル!!!」
中学生…くらいかな?雰囲気は小学生だけど。
バタバタとコテージに入ってきて、両手を伸ばしてグルグル回る。
「へへへー!っ、ぐ!!!」
「おいおい、お客様ーコテージ内では回らないでくださーい」
先ほど紹介されたスタッフの大門さんが、捕まえた。素早い。そして、痛そう…。
「すすすんません、締まってます、首締まってますって!」
「予約していたチームクロスハートです」
「あ、はいはい!ようこそ」
格好良い名前。何のチームだろう?
新しいお客さんにスタッフさんも忙しそう。
それぞれの部屋に荷物を置いて、勉強道具を持ってさっそく「勉強合宿」がはじまった。
思ったよりハードで3時間ついていくのが必至だった。
「微分積分微分積分微分積分」
『ミミちゃんが…壊れた』
「ミミは授業中もこんなかんじよ。数学が死ぬほど嫌いだから目が死ぬの」
「でも、今日は勉強終わりだし。あとは夜ご飯食べて寝るだけね」
「ご飯!!!納豆!!!納豆はどこ?!」
「あ、生き返った。」
「予定表では明日の夜は星空観賞だって」
『そっか。晴れるといいね』
晴れたら、良い。
授業の間の休みに、ジェンくんとタカトくんと話した。明日の夜が星空観賞、告白する…絶好のチャンス。
「もう…ドキドキしてきた」
「大丈夫、上手くいくって。◇◇さん、ルキを上手くタカトと2人きりになれるよう、協力ヨロシクね」
『うん、任せて。絶対成功させようね』
「うう、◇◇さん、ありがとぉぉ」
きっと、上手くいくから。
みんな、上手くいくから。
だいじょうぶだよ。
∞15/03/09
ALICE+