和風妖



突然内定が取り消された主人公は暫し呆然と居間に座り込んでいたが、兄からの遅くなるというメールで正気を取り戻した
そのまま内定取り消しの件を伝えようか一瞬迷ったあと了解とだけ打ち込んだ
元々兄は今の会社は辞めておけとしつこく言っていたのだ。
現にあと1ヶ月もしないで入社式を迎えるというこのタイミングで取り消しという荒業を使ってくるあたりろくな会社じゃないのは明白だ。
法的に内定ともぎ取ることも出来るには出来るだろうが、したところでいい結果にはならないだろう。
流石にこのタイミングでの取り消しとなればいくら反対してたとはいえ慰めてくれるだろうが、口だけのものになるだろう。

そんな中食事を作る気にもなれずコンビニへ行こうとした主人公はオレンジ色の灯りに誘われていつもとは違う道をゆく
コンビニへの道すがら、公園の前を通るとその奥にオレンジ色の灯りが見えた
公園の反対側もまた道路であったはずだが、いつの間にか公園から続く細道が出来ている。
――やぁ、いらっしゃい。人間のお客とは珍しい。
細道の先には

・カフェ
人間から妖から色々来る
狐火トースト、硝子鈴蘭のソーダー水、トパーズチーズのサラダ
お代の代わりにその人にとって特別な物を1つ貰っていく
貰ったものから想いを取り出し、それを料理に混ぜて提供する

・古書店
願いを叶える代わりに人間妖その他の記憶を本にする
願った者は記憶をなくしてしまう
本は1度だけ視ることが出来、視ると白紙になってしまうが読まれた者の記憶は戻らない
――これは?
――君の記憶だよ……昔のね

・古道具屋
古びたボタンに壊れた蝶番、急須の蓋など一見するとただのがらくた屋だが、必要とする人の元へ自然と収まっていく
お代に1つ店主が欲しがるものを渡す

・夢屋
大切な記憶、忘れたい記憶、楽しい記憶から悲しい記憶までを取り出して売り買い出来る。そのほかの使い道も。
――貴女も夢を買いに来たんですか?
――あたしは違うわ。ここに大切な記憶を仕舞いにくるの


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