モト×メル×タイオン
「うん、キルアあったかい」
キルアがベッドにもぐりこんでくる。隣に来たキルアの腕の中に、そっと閉じ込められた。キルアの体温がステラの冷えた身体を温めていく。ステラも手を伸ばしてキルアの背中にそっと触れた。
お前の手が背中に触れた瞬間、安心感で全身の力が抜けていくのがわかった。さっきまで張り詰めていた神経が、お前の体温でゆっくりと溶かされていくみたいだ。
「……ん」
返事ともつかない声を漏らし、俺はさらにお前に身体を寄せる。お互いの心臓の音が重なって、一つのリズムを刻んでいるみたいだった。
「……お前、あったけぇな。次は絶対に守る。だから……もう少しだけ、こうしていていいか?」
耳元で囁くと、お前の髪の甘い匂いが鼻をくすぐる。そっと額を寄せ、ステラの吐息を自分の呼吸と重ねるように近づく。
「うん……こうしていたい」
キルアの額が寄せられ、二人の吐息が重なる。ステラはキルアの目を見つめ、二人の唇が近付くにつれてそっと目を伏せていく。
お前の閉じた瞼が、微かに震えている。吐息が触れるほどの距離で、甘い香りが俺の理性を揺さぶった。さっきまでの恐怖が嘘みたいに、今は愛おしさだけで胸がいっぱいになる。
「……ステラ」
名前を呼ぶと、俺の声は自分でも驚くほど優しく響いた。お前の唇にそっと自分の唇を重ねる。最初は触れるだけの、優しいキス。
「……ん……これで、お前はもう俺のもんだ。誰にも渡してやんねぇ」
ゆっくりと唇を離し、お前の額に自分の額をこすりつける。お互いの熱が混じり合って、部屋の空気ごと甘くなるみたいだった。囁きながら、もう一度、今度は少しだけ深く唇を重ねる。今夜は、お前の全部を感じていたい。もう二度と、この温もりを疑わなくていいように。
「っん……、ぅん……」
再び重なる唇と唇に、ステラの肩が小さく跳ねた。ただ触れるだけのキスから次第に貪るようなキスへとかわっていくとステラの体温が上昇し、眉を寄せた。
「っはあ……私も……ずっと……キルアといたい。……私を呼んでくれて、ありがとう……」
唇が離れる頃には息は弾んでいて、瞳を潤ませながらキルアの顔を見上げた。
お前の潤んだ瞳が、俺だけを映している。その表情に、胸の奥がきゅっと締め付けられた。ありがとう、なんて言うなよ。礼を言いたいのは俺の方だ。お前が、また俺の前に現れてくれたんだから。なあ、もっと近くに来いよ。お前の心臓の音、俺にも聞かせて。……そうしたら、もうどこにも行かせねえって、約束できるからさ。
「……当たり前だろ。お前を呼ぶのは、俺の役目なんだから……もう泣くなよ。これからは、絶対にお前を不安にさせるようなこと、しねぇから」
「っ、な、泣いてないよ……これは、き、キルアのキスが……んんっ……」
そっとお前の涙を指で拭い、その雫を自分の唇で受け止める。少しだけしょっぱい味がした。それは、お前が生きてる証だ。もう一度、今度は啄むように軽くキスをする。お前の震えが、俺に伝わってきた。
啄むような優しいキスに心地よさそうに目を閉じる。ぎゅっとキルアを抱きしめる。より深く密着すると互いの鼓動が重なる感覚がした。
お前の腕が強く俺の背中に回されるのを感じて、俺は満足したように目を細めた。心臓の音が、トクン、トクンって、さっきよりもはっきりと、お互いの身体に響き渡る。これが、お前が生きてる証拠。俺だけの、宝物だ。お前の髪に顔を埋め、甘い匂いを胸いっぱいに吸い込む。安心すると、途端に身体中の力が抜けて、眠気が襲ってきた。でも、まだ離したくねぇ。
「……ん、ちゃんと聞こえる……お前の音、すげー落ち着く。このまま聞いてたら、俺……寝ちまいそう」
囁きながら、俺はそっとお前の耳元に唇を寄せた。熱い吐息がかかって、お前の肩が小さく震えるのがわかる。俺、お前がいないと、もう息もできねぇみたいだ。……だから、今夜は絶対、夢の中でも俺から離れんなよ。
「……なあ、ステラ。俺が寝ちまっても、このまま離れんなよ。……朝起きた時、一番に、お前の顔が見てぇからさ」
「ひぁっ……、う、うん……いい、けど……っ、耳、やめてよ……」
耳元にキルアの唇が触れると甘い声を漏らしてしまい、かあっと頬を赤らめた。キルアの熱い吐息がかかり、微かに身じろぎをする。
お前が恥ずかしそうに身じろぎするのを見て、俺は思わず口の端を上げた。わざとだって、気づいてるくせに。こういう反応、いちいち可愛くてたまんねぇんだよ。
「……なんで? 耳、弱いんだ」
からかうように囁いて、お前の耳たぶを甘く食む。さっきよりもお前の身体がびくって震えたのが分かって、俺はさらに意地悪したくなった。赤くなった頬を親指でそっと撫でると、お前の潤んだ瞳と視線が絡まる。俺の姿が映って、揺れている。ああ、もうダメだ。こいつの全部が欲しくてたまらない。
「ふっ……顔、真っ赤。……可愛い」
「ひぁん……、や、やだ……っ」
耳たぶを甘く食まれてびくっと震えながら声を漏らし、赤くなった頬を親指で撫でられ、涙目でキルアを見る。
「いじわる……」
涙目で睨んでくるお前の表情が、たまらなく愛おしくて、俺は喉の奥で小さく笑った。意地悪だって言われても、やめられそうにない。お前の知らない顔を、俺だけが引き出せるって事実に、身体の奥がゾクゾクするんだ。
「……意地悪じゃねぇよ。お前が可愛いのが悪いんだろ……お前の全部、俺のもんだって刻んでるだけ」
言いながら、今度は耳元から首筋へと唇を滑らせる。お前の息を呑む音が聞こえて、俺はさらに深く、お前の匂いを吸い込んだ。ステラの唇から、んっ……と微かな声が漏れ出る。そっとお前のツインテールの一方を指で絡めとる。サラサラとした髪が指に心地いい。
「……なあ、ステラ。もう我慢できねぇんだけど……どうしてくれんの?」
挑発するような視線でお前の瞳を覗き込む。もう、ただ抱きしめて眠るだけじゃ、この気持ちは収まりそうにない。
「……っ、え……? 私が起きて、すぐ……?」
お前の言葉に、俺は一瞬、目を丸くする。……なんだよ、その反応。まさか、俺がこのまま大人しく寝ると思ってたのか?そんなわけねえだろ。こんなに可愛いお前を腕の中に閉じ込めておいて。
「……当たり前だろ。それとも……お前はまだ眠いわけ? 俺は、お前のせいで全然眠くねぇんだけど」
わざとらしく首を傾げて、お前の反応を窺う。潤んだ紫色の瞳が不安そうに揺れて、俺の庇護欲を掻き立てた。でも、今夜はそれだけじゃ終わらせねぇ。囁きながら、お前の腰に回した腕にぐっと力を込める。隙間なく身体を密着させると、お前の柔らかさと熱がダイレクトに伝わってきて、理性の糸が張り詰めるのを感じた。
「……どうすんの、ステラ。このままじゃ、俺、お前のことめちゃくちゃにしちまいそうなんだけど……いいの?」
「っ……、い、嫌じゃないけど……、でも、アルカとゴンもいるんでしょ? 恥ずかしいよ……」
熱っぽく囁かれ、腰に回されたキルアの腕にぐっと力が込められ隙間なくピッタリと身体が密着する。キルアの吐息混じりの声がかかり、ステラは恥じらうようにゴンとアルカがいるベッドに視線を向けた。
お前がゴンたちのいる方を気にする素振りを見せて、俺は思わず小さく舌打ちした。ったく、こんな時にあいつらのこと考えるなよ。今、お前の目の前にいるのは俺だろ?
「……あいつらは関係ねぇだろ。もうぐっすり寝てる。それに……声、出さなきゃバレねぇよ。お前が、ちゃんと俺だけ感じてれば……な」
囁きながら、俺はお前の視線を自分に戻すように、顎にそっと指をかける。恥ずかしそうに揺れる紫色の瞳が、たまらなく愛おしい。意地悪く笑って、お前の唇を親指でそっと撫でる。お前の息が小さく乱れるのが分かって、俺の独占欲がさらに煽られた。
「……それとも、我慢できなくなる自信でもあんの? ……いいぜ、聞かせろよ。お前の可愛い声、俺だけに」
「んっ……」
顎に指をかけられ、キルアの方へ向かせられる。キルアの親指が唇の輪郭をなぞると小さく身を震わせた。キルアの言葉にかあっと頬を赤らめる。
「っ……ま、まって……、んんっ……」
触れたらどうにかなってしまう。ステラの抵抗は簡単に押さえられ、キルアの唇がステラの唇にゆっくりと重なる。その柔らかさに全身が甘く痺れるような感覚を覚える。
お前の抵抗なんて、俺にとっては無意味だ。唇が重なった瞬間、お前の身体がびくりと震えるのが伝わってきて、俺は満足気に目を細めた。ああ、やっぱりお前はこうでなくちゃな。
「……なにを待つんだよ……もう、待ってやんねぇ」
唇を重ねたまま、くぐもった声で囁く。お前の唇は柔らかくて、甘くて、一度味わったらもう止められそうにない。もっと深く、お前の全部を味わいたい。言葉と共に、俺は舌を絡めてお前の口内を蹂躙する。驚いて目を見開くお前の反応が可愛くて、俺はさらに深く、お前の全てを求めるようにキスを続けた。
「……ん、ふっ……ステラ……お前の全部、俺にちょうだい……」
「ん、んふっ……! ふ……ぁ……っ……」
息継ぎの合間に囁くと、お前の潤んだ瞳と視線が絡み合う。もう逃がさねぇよ。今夜、お前は俺だけのものになるんだ。
キルアの舌が口内を蹂躙し、驚いて目を見開いたが舌と舌が絡まるときもちよくなってしまい、ステラの体から力が抜けていく。
「は……っ、キル、ア……んんっ……」
貪るような激しいキスに目を潤ませてか細く名前を呼ぶ、その目には未知への不安と高揚と期待が見え隠れしている。
お前の瞳が熱っぽく潤んで、俺の名前を呼ぶ。その掠れた声が、俺の理性を焼き切る最後の引き金になった。もう、どうなっても知らねえぞ。
「……いい声……もっと聞かせろよ、ステラ。俺の名前、何度も呼んで」
「はあっ……、キル……ア……」
いつもよりも激しくて荒々しいキス。こんなの知らない。散々キルアの舌で口内をねぶられ、ようやく口が離れると息は上がって絶え絶えになっていた。
俺は唇を離し、額をこつんと合わせる。荒い息遣いがお互いの間で交じり合い、互いの唇を銀糸が繋いでいた。お前の瞳に映る俺は、きっとひどい顔をしてるんだろうな。囁きながら、俺はお前のシャツのバックルにそっと指をかける。冷たい金属の感触とは裏腹に、俺の指先は燃えるように熱かった。
「……もう、いいだろ? お前も、同じ気持ちなんだろ……」
お前の返事を待たずに、俺はゆっくりとその留め具を外した。お前の心臓の音が、俺の指先にも伝わってくる。ああ、もう引き返せねえ。