初めてのバトル
すると、前方に黒づくめの集団―――――ロケット団と思しき集団があった。おい、嘘だろ。オレの顔が引き攣る。コスプレとかじゃあないんだよなぁ…。未だに信じられねーけど、やっぱりこれって俗に言うトリップ…
「見付けたぞ、ピカチュウを捕らえるんだ!」
黒尽くめの奴等が動き出すと、ピカチュウが嫌々するように頭を振る。そしてそのままオレの足元にしがみついてきた。なんだこれ可愛い。とにかく、状況は呑めた。要するにピカチュウを守れば良いって事だな!そうと決まれば早速。オレはピカチュウを庇うように前に進み出た。すると、なんだお前は!?とかやっちまえ!などと三流ドラマ真っ青な台詞が飛び出てくる。
「えーと、オレは……」
名乗る前に飛び掛かってくるポケモン。おいおい、ただの人間だぞこっちは。もしかしなくてもこれは、所謂ピンチというやつか。万事休すかと思われたその時、私の腰でガタガタ揺れる何か。手を伸ばすと硬い感触があり、見るとそこにあったのは――――――
「…モンスターボール…」
しかも、中にはオレの相棒のマグマラシ。…ゲーム内での、な。よくわかんねーけど、とにかくオレはモンスターボールを取り出す。
「マグマグ!」
オレの声に応えるように、マグマラシが吠える。すげぇ、リアルマグマラシだ…と、オレはこっそり感激していた。いや、ポケモンマニアなら誰だってテンション上がるだろ。うん。
「くっ!お前…トレーナーだったのか!」
「いかにも、オレは異界のトレーナーだ」
どや顔を華麗に、それはもううざったく決めるとロケット団員達はそれに突っ込むことなくポケモンに指示を出す。いや、突っ込めよ。特に異界ってとことか。
「どうせそんな奴大したことないだろ、ズバット!超音波だ!」
「させるかってんだ!マグマグ、スピードスター!」
相手よりも先にスピードスターで先制攻撃を仕掛けると、ズバット達は次々と倒れていく。どうやらレベルもそのままのようだ。頼もしいじゃあないか。オレは一人満足する。
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