「あんたの言ってることは理解できない」
「奇遇だね、ボクもキミを全く理解出来ないしする気もないよ。キミの場合は才能がその程度だったってことじゃない? 超高校級の絶望であり超高校級の心理学者でもあり超高校級のプロファイラーの雨咲さん。やたらと長ったらしいよね」
「分かるけど理解できない。希望とかありえない」
「ボクからしてみれば絶望の方がありえないよ。確かに絶望を踏み台にしてこそ希望は輝く、けれどキミが求めるのは絶望でしょ? 理解できない」
こんな感じで、彼とは顔を合わせば憎まれ口ばかり。互いの線はいつまでたっても平行線で、決して交わることは無い。彼は絶望を憎んでいて、私は絶望に縋っていて。どちらも同じ絶望に落ちている者同士ながら、永遠にわかりあえない。
「はん。この希望厨が」
「絶望厨には言われたくないんだけど」
似ているようで違う。私たちのこの関係は、一言でいうならきっと『敵』なのだろう。それなのに、何故こうも顔を合わせてしまうのか。鼻で笑う狛枝くんを見ながら、そんなことを考えた。
「例の計画、そろそろだから。ちゃんと見てなよ?」
「前に言ってたコロシアイの? へぇ、やっと始めるんだ。希望は絶望なんかに負けないって誰か証明してくれるかな?」
「絶望は感染するってコト、証明してあげるよ」
「あはっ、精々頑張りなよ。キミが悔しがる姿を笑って見てあげるからさ!」
「うぷぷぷぷ」
「うわっ……絶望的なまでに可愛くない笑い方だね。もうちょっとマシにならないの?」
エヘ顔ダブルピースしてやった。確か狛枝くんは、私のことを顔だけは好きとか言っていたな。そうすると、狛枝くんは真顔で黙り込んでしまった。彼の思考が流れてくる。
(ここで可愛いかもと思ってしまったら負けだ……この顔でも中身は絶望だ……)
「あれれー?(コナン並感) 今度は可愛くないって言わないんだねー?」
「可愛くないわけではないけど、うざったいね! 一応可愛いとは言ってあげる、でもイラつきで相殺されちゃってるよ」
でも、私は何となくわかっていた。勝つことが目的なんじゃないってこと。盾子ちゃんは、勝負なんてどうでもいいのだ。絶望。ただそれだけを求めている。私もただそれについていくだけだ。
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彼女は旅に出る。/AQUALOVERS