01
盗まれた魔核の手掛かりを求めて帝都ザーフィアスに来たはいいがどうやら後手だったらしい。
宛にできる人間も信用できる情報もない私の唯一頼れる手掛かりは、盗み聞いた騎士達の会話だけだ。
「花の街ハルルか…」
かつて身を寄せていたギルドのお付きで一度行った事のあるその街は、大きな樹に花弁が舞うとても綺麗な街だった。
水道が壊れたらしく、下町の方が騒がしかった。
我ながら冷たいとは思うが関わっている暇はない。
巻き込まれないうちに退散しよう。
聞こえた話だと、壊れた原因は魔核が盗まれたからで、その犯人を追って若い男が貴族街の方に乗り込んだとか何とか。
下町の事は下町に任せるとしよう。
水道事故のゴタゴタで買い出しができずにいたので、此処を出て直ぐにアイテムの補充をしなければ。
「まずはデイドン砦だな」
似たような境遇の、下町の男に興味がないでも無いのだが。
…少しだけ残念だな。
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