ホワイトデー2018
※バレンタイン2018の続き

様々な雑貨が並べられた店内は、女子客が多かった。そもそも、普段はこういう店には入らないのだが名字からチョコをもらったため、ホワイトデーのお返しにとやってきたのだ。名字がどんなものが好きかとか分からないのに、正直頭を抱えてまで悩んで、お返しを選ばなければいけないというのは面倒臭いものだ。しかし、こうやってわざわざ買いに来て、どれがいいのかと悩んでるのは、自分が存外名字を気に入ってるからだと思う。そうじゃなければ、きっとぱっと決めた無難なもので対処するだろう。
店内をぐるりと一周したが、何がいいのか分からない。なんなら好きなものとか聞いとけばよかったと、後悔先に立たず。悩みながらまた店内を回ろうとした時、ふと向かいの店に見えたハーバリウム。店に立ち寄り色とりどりのそれらを見て、一番彼女に似合うものを一つ手に取ると、会計に向かった。


ホワイトデー当日、いつものように早めに学校に向かうと教室には既に名字がいた。いつもより早めに来たのか、それなら丁度いいと思い綺麗にラッピングされたそれを取り出すと、名字の席に向かった。
「おはよう」
「あっ……おはよう」
「これなんだが、チョコのお返しだ。貰ってくれ」
「わ、本当にくれるんだ。お返しなんて良かったんだけど、でもありがとう」
名字はにこりと笑うと開けていい?と聞いてきた。
「ああ」
俺がそういうと、早速ラッピング袋の紐を解き中身を取り出した。白いカモミールのハーバリウムだ。
「わ、きれい」
「名字にぴったりだと思った」
「そっか、ありがとう……」
名字はまた微笑むと丁寧に袋に戻した。
「なんか、こんなことされちゃうと諦めきれないな」
名字は冗談めかして言う。その言葉は意外と心地よくて、つい俺も言ってしまった。
「諦めなくていいさ、俺も名字が気に入っている」
「えっ……」
口走ってしまった言葉に驚く名字。それに俺は微笑んで、もう少し名前のことが知りたいと言った。
「友達以上恋人未満ってやつ?」
「そうだな」
「それは……恋人になれる見込みはある?」
「ああ」
「じゃ、頑張るよ。自己アピール」
「そうしてくれ」
お互いに笑い合うと、教室にも生徒が増えてきて、またなと言って別れた。きっと俺自身が名前を好きになるのに時間はかからないだろう。

fin.



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義理以上本命未満みたいな。
ハーバリウム、素敵ですよね。
欲しいけどなかなか手が出ないものです。
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