2.織姫と彦星が出会えるとかいう
「笹の葉さ〜らさら〜」「……なにやってんだ」
「てるてる坊主作り」
明日は七夕という事で、朝から教室でてるてる坊主を作っていた。この歳になって、てるてる坊主を信じているとは言わないが、神にもすがる思いで、てるてる坊主に頼むほかないのだ。
「なぜ?」
「なぜって、明日は七夕だってのに毎年雨だろ。雨で濡れたグラウンドで練習したくないし」
「ふーん」
半分嘘で半分真実をいうと、倉持は納得したようで作り終わったてるてる坊主を、窓際に貼ってくれた。
「はよー」
「よぉ」
「おはよう」
御幸が教室に入ってきて、窓際に並ぶてるてる坊主の数に目を見開く。
「お前ら朝からなにやってんの」
「てるてる坊主作り」
「お前らホント馬鹿だよな」
「野球馬鹿のお前に言われたくねーよ」
「名前に同意」
御幸もなんだかんだ言いながらてるてる坊主を窓際に貼っていく。窓の端から端までてるてる坊主を貼り終えると、教室が異様な風景になった。
「ちとやりすぎたか」
「だな」
「これで織姫と彦星も気兼ねなく会えるだろ」
「名前って意外と純情?」
「お前ら天の川見たくないのかよ」
「別に」
「御幸は本当に野球以外興味ねぇな!」
御幸の塩対応に肩パンを決める。
「俺は見てーよ」
「倉持?」
「だって一年に一回だけだろ」
倉持の意外な言葉にドキッとする。たまにイケメンなこと言うんだよな。
「じゃ、明日の夜練習終わったら校舎前集合な」
「おう」
「俺も?」
「御幸は来たくないわけ?」
「お前ら二人にしておけないからいくわ」
「意味わかんねーよ」
御幸はニヤッと笑った。
七夕当日、満点の星空に3人揃って圧巻された。
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名前と倉持のただならぬ雰囲気に、放って置けない御幸。
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