4.クリスマスは特別な日ではない
クリスマス当日は、みんな盛り上がるだろう。だが、俺たちは通常通りの練習にクタクタになるだけだった。

「クリスマスなのに過ごす彼女がいねぇ!」
「右に同じく」
「飯食い行こうぜ、雰囲気を味わいに」
「周りはリア充ばかりだけどな!」
相変わらずの俺と倉持の会話に、御幸が冷めた目で見てる。モテるからってそういうところが気にくわない。
「俺パスな」
「誰もてめぇを誘ってねーよ!」
「このイケメン奴!お前なんて嫌いだ!」
「名前は俺を褒めてるのか?」
性格も悪いのに顔がいいなんて、本当にずるい男だ。
「ま、お前ら二人で行ってこいよ。男二人で傷の舐め合いでも」
「御幸テメェ」
「御幸くん言ってはいけないことを言ったね?」
御幸は苦笑して、じゃあなと自分の部屋に戻っていった。残された俺たちは、散々御幸の文句を言ってから近くのファミレスに向かうのだった。


ファミレスは意外と空いていたが、客のほとんどがカップルか家族しかいなかった。倉持は眉間に皺を寄せ、御幸殺すと呟いた。
「もういいよあんな奴。俺たちは二人で楽しもうぜ」
案内された席に着き、お互いに食べたいものを注文する。デザートのケーキを頼むのも忘れなかった。
「俺は大好きな大好きな倉持くんとここに来れてよかった」
「名前……、お前かわいそうな奴だな」
くだらない会話を続けてると注文した品が揃い、食事を開始した。
「倉持も俺と来れてよかっただろ」
「まあな、彼女ときたかったけど」
「みなまでいうな」
悲しい。本当に悲しい。倉持が女の子だったらこんな思いはしなかったっていうのか。
「お前今、俺が女だったらって思っただろ」
「倉持くんも俺が女だったらよかっただろ」
「……」
無言は肯定ととる。食事が終わり、最後のデザートに手をつけていると、倉持が口を開いた。
「俺はお前が男でも関係ねーけど」
「そりゃどういう意味だ」
「さあな」
ヒャハ!と特徴的な笑みをし、再びデザートに手をつける。最後の倉持の言葉を俺が理解することはなかった。
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