畏れていたきざし
最近トムは苛々しているようだった。情緒不安定でいつもなら許すような小さなミスでさえ、怒りに任せて殺してしまった。全てはポッターのせいであろう。魔法省は闇の帝王が復活したことを告げた。光の魔法使いたちは闇に対抗するべく動き出した。
「大丈夫?体調悪い?」
いつも白い顔がさらに青白くなっている。ますます機嫌が悪くなるばかりだ。
「小僧が4つ目の分霊箱を破壊した」
トムはナギニの頭を撫でた。
「5つ目はホグワーツにあるだろう」
「ベラトリックスの金庫に入ったのか?」
「そうとしか考えられん」
「ドラゴンが守っているのに……」
名前は下唇を噛む。
「俺が5つ目を取ってくるよ」
「名前がか?」
「止めないでよ。しのごのいってる場合じゃない」
「……」
トムは名前を見つめる。
「髪飾りだろ?行ってくる」
名前はトムが口を開く前に姿くらましをした。幸い今のホグワーツはセブルスの監視下にある。忍び込むのは簡単だろう。
パチンという音とともにホグズミードに姿現しをした。ホグズミードに警報が鳴り響く。感知魔法がかかっていたのだろう。名前は素早く隠れて、時を伺った。監視の者たちが走り去った後にホグワーツに向けて歩き出した。
久々に来たホグワーツは変わらないままだった。正面から侵入するが、誰も名前に気づくことはない。名前は廊下を走った。きっと髪飾りは必要の部屋だ。8階の壁の前に立つが部屋は現れなかった。
「おかしい」
「ひっ!」
名前が呟くと小さな悲鳴が聞こえた。そちらを見やると金髪の見覚えのある男の子がボロボロで転がっていた。
「おい」
「っ!」
「ドラコか?」
「!名前様?」
「必要の部屋は?」
「燃えて無くなりました」
「は?」
「ポ、ポッターが……」
「チッ!」
どうやらすでにポッターは分霊箱のありかが分かっていたようだ。
「ポッターはどこだ!?」
「わ、わかりません」
「使えないな!」
名前はまた走り出した。しかしすでに闇の魔法使いたちはホグワーツに攻撃を仕掛けていた。窓の外を見やると最大の防御壁が崩れ去る様が見られる。そして死喰い人たちがホグワーツに向かってきているのも。
「トム……」
思い他人の無事だけを祈って、名前は出口に走り出した。
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