二度目の、お別れ
『一人で来い、ポッター』
名前はまだトムと合流できていなかった。というのもホグワーツは逃げ惑う人でごった返していてなかなか外に出られなかったのだ。そうしているうちに戦いが終わったのか頭の中にトムの声が聞こえてきた。どうやら禁じられた森にポッターを誘い出しているようだ。
「行かなきゃ」
やっとホグワーツの外に出られた名前は姿くらましをした。そして禁じられた森に出る。
「名前」
いとしの声が聞こえた。
「トム!」
会えてよかったとハグをする。隣にはベラトリックスも立っていた。
「我が君!」
死喰い人の一人の声に振り向くとそこにはポッターが来た。律儀に一人で。
ポッターとトムは一言二言交わすと同時に魔法を放った。直前魔法となったが倒れたのはポッターだった。
「ハリー!」
ハグリッドの声が響く。しかし彼は目を覚まさない。
やっと終わった。名前はそう思った。ハグリッドはポッターを抱いてホグワーツに向かう。その後ろに死喰い人たちが並び長蛇の列になった。

ホグワーツに着くとたくさんの小さな悲鳴が聞こえた。ポッターの死を受け入れられないのだろう。
トムは自分の下につけと、生きた魔法使いたちに話す。しかし誰一人としてくるものはいなかった。
「一言言いたいことがある!」
静まり返った中トムと話し出したのはロングボトムだった。
「毎日人が死んでいる!」
ハリーもそうだ、と彼は語る。そして帽子の中からゴドリックの剣を取り出しトムには向かった。
すると、タイミングよくポッターが立ち上がった。彼は死んだふりをしていたのだ。
トムは怒ってポッターに杖を向けた。ポッターも杖を向け、赤と緑の雷が繋がる。

まさか、誰もが闇の帝王の勝利を信じて疑わなかった。しかし最強の杖にはヒビが入り、赤い閃光が迸った。
「トム?」
まさか、彼が死ぬはずがない。しかし今目に見えているものは、灰と化したいとしの姿。
「トム?」
名前はまたつぶやく。しかしそれを聞いてくれる本人はさらに細かく塵となり消えていった。まるで一瞬の出来事だった。
「ね、嘘でしょ?また俺を置いていくの?」
名前の瞳から涙がこぼれた。しかし、それを拭ってくれる人もいなかった。
「あ……アバダ」
名前はポッターに杖を向ける。
「アバダゲタブラ(生き絶えよ)」
しかし、別の誰かが放った死の呪文によって名前は生き絶えた。
「トム……」
最後まで愛しいあの人の名前をつぶやいて。


二度目の、お別れ
(今度こそ永遠の?)



fin.2018.11.21 anon.
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