Halloween2018
「トリックオアトリート」そう言って手を差し出してくるのはあのスリザリンのトム・リドルだ。びっくりして固まっていると、彼はみるみる不機嫌になり「他の奴にはあげるのに、僕にはくれないわけ?」と挑発して来た。
「いたずらするよ?」
微笑みながら(目は笑っていない)彼が杖に手を伸ばそうとした時、名前は急いでカバンから、小さなパンを取り出し渡した。
「これは?」トムが怪訝そうに尋ねると「菓子パンだよ。お菓子が好きではない子もいるだろうから」と名前が言った。
「面白いね、ありがとう」
「どういたしまして」
トムは満足そうに言った。その笑みがなんだか憎たらしくて名前は仕返しに出た。
「トリックオアトリート?」
今度はトムが固まる番だった。言われないと思ってた人物から言われた時の衝撃は半端なものではないだろう。
「いたずらでいいのかな?」
名前が挑発的な笑みでトムを見ても彼は動かない。
「無言は肯定ととる。オーキデウス!(花よ)」
トムの頭上から花が咲き、名前はそれをうまく杖で操り花冠を作った。そのままポンとトムの頭に乗せる。
「ふっ……」
名前は笑いをこらえきれなそうに肩を揺らす。トムも我に帰ったのか、こめかみがピクリと動いた。
「ふむ、確かにこれは嫌がらせかもしれないね」
青筋を浮かべたまま笑む様はまるでサタンのようだった。
名前がそれに気づきいち早く逃げようとした時にはすでに遅く、ローブのフードを掴まれて、強制的に引っ張られた。
「お仕置きが必要なようだ」
2018.10.31
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