夢想の枷
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目を覚ました名前は夜のセントラル・パークを歩いていた。先程まで理由もわからず倒れていた。それになんだか、セントラル・パークの様子がいつもと違うと名前は考えていた。
不気味ながらも歩いていると、背後から聞き慣れた声が自分の名を呼んだ。
「名前」
「クロード」
いつもの白制服とは違う私服姿にドキッとした。
「こんな時間に出歩くのは感心しないな」
「ごめん」名前は少しの違和感を感じたが素直に謝った。倒れていた以前の記憶が曖昧だ。
クロードは優しく微笑んで、名前に右手を差し出した。
「さあ、行こう」
「何処へ?」
名前は疑問を抱きながらも最愛の人の手を取った。彼はその手を優しく包み込み、ゆったりと名前をエスコートする。
「見たい映画があると前に言っていただろう?」
名前の歩幅に合わせながら、クロードは名前を見つめた。「でも、最近忙しいじゃない」名前はクロードを見つめ返し、大丈夫なの?と目で訴える。彼はにこりと笑い、名前の額に軽く口付けた。「名前との時間の方が大切だ」
名前は普段の彼なら言わないだろう言葉に驚いた。だが、それと同時に嬉しさも相まって頬に熱がこもる。そんな名前の様子を、 クロードは愛しげに見つめていた。





ーー???の夢意識、入り口

「さあ、準備はいいかい?」
イスカは、自分の後ろに続く数名の白制服の生徒達を見ながら言った。彼らは力強く頷いた。
「クロード」
「ああ、大丈夫だ」
クロードも力強く頷くと、イスカはそれでは探索を開始すると夢意識の中に入っていった。その後の続いて他の生徒達も入っていく。クロードも名前が見つかりますようにーーと願いながら夢意識の入り口を潜った。

探索を開始して、数十分は経過しただろうか。夢意識はIDAシティを模しており、時間帯は夜だ。かなり巡回しているつもりだが、一向に魔物は現れない。
「夢意識には、夢意識特有の魔物が存在しているはずだが、何故この夢意識には魔物が存在しない?」
イスカは疑問を抱いていた。「過去の夢意識事件にもやはり魔物の姿はあった筈だ」
「会長」
するとイスカの後ろを歩いていた男子生徒が、声を上げた。「夢意識の主がそれを望んでないのでは?」
イスカは目を見開いた。そしてバラバラだったピースが繋がったような閃きが彼女の頭を巡った。クロードを見やると、どうやら彼もこの状況が理解できたようだ。
「成る程。どうやらこの夢意識の主は心の奥底で、果てしない平和と安寧を望んでいるから、この夢意識には魔の存在が無いわけだね」
「平和と安寧か……」
「皆、夢意識の主に心当たりがあったらいつでもいい、遠慮なくいって欲しい」
イスカは探索を続けようーーとまた歩き出す。クロードはその背を追いながら言いようのない不安に駆られていた。
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