#02
*****「名前どうした?」
最愛の人と好きな映画を見て、いつもと違ってゆったりと二人の時間を過ごしているはずなのに、名前は浮かない顔をしていた。
「変じゃない?」
クロードにこの違和感を伝えてみようと名前は話し始めた。
「いつもなら、途中でIDEAから連絡くるのに……」
IDEAに所属している二人は忙しく毎日を過ごしている。たまの休みが被った時でさえ、二人でデートを楽しんでいても事件となればIDEAから着信が入る。どうしても少人数の組織であるため、人数不足なのだ。
「名前は私とのデートより仕事をしたいのか?」
クロードはちょっぴり悲しそうな顔をして、繋いでいる手を少し強く握った。
「ごめんそういうことじゃなくって……!」名前はあせりながらクロードを見たが、その時にはクロードはふっと笑っていて、名前の唇に口付けてきた。
「気にすることはない。ここは名前の世界なのだから」
「私の……?」
ああ、とクロードは続ける。
「名前の望みは全て私が叶えよう。お前は私に寄り添っていればいい」
クロードは自分よりも小さな名前の身体を包み込んだ。「何も怖がることはない」
名前の右目からほろりと一粒涙が落ちた。ーーああ、ずっとこのままでいたい。たとえそれが一抹の夢だとしても。
名前の心の願いに、世界は光を帯びた。
*
ーー???の夢意識
探索を始めてもう直ぐ1時間になる頃だが、クロードの不安は増すばかりだった。そうじゃなくても名前がいないということに焦りを感じているのに、このまま見つからなかったらとか、もしかしたらこの夢意識はーーなどと悪い予感が巡る。前を歩くイスカも名前の夢意識かもしれないという選択肢が彼女の中にあるはずた。早く見つかってくれーーとクロードは願う。しかし、クロードの予想と反して、この夢意識は光を帯びていた。
戻る